シロクマの屑籠 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2014-03-06

ライブやコンサートに行く人=「若作りうつ」ではありません

 

 本日午前中、フジテレビ『ノンストップ!』の生放送にお邪魔して、エイジングの遅延に伴うメンタルヘルスの問題について話題提供しました。

 

 初めてのテレビ出演、しかも生放送にしては、比較的落ち着きながら出演できたつもりです。また、年の取り方を度外視したライフスタイルについて問題提起できたつもりですが、舌足らずといいますか、ちょっと誤解を与えるような表現があったのが心残りなので、こちらで補足させていただきます。

 

 番組後半、私は「人間は必ず年を取るんです。何歳になっても思春期的なライフスタイルを続けているのは厳しい」的な事を発言し、その例としてライブハウス通いなどを挙げましたが、ライブハウスに行ったりコンサートに出かけたりすること自体は、別段「若作り」なわけでもなく、メンタルヘルスを損ねてしまうリスクでもないと思います。

 

 本当は、「若い頃の変わらないペースでライブハウスやコンサートに出かけて、心身を酷使するような生活を続けていればメンタルヘルスを損ねてしまう」と表現すべきでした。しかし当時、いわゆる「時間が押している」状況下だったこともあり、本来入る予定だった「若い頃と変わらないペースでライブハウス狂いな主婦の一例」のVTRがカットされてしまい、私はそのVTRに引きずられたまま、少し混乱気味に喋ってしまいました。少なからぬ方に誤解を与えかねない表現になってしまったように思います。すいません。ブログで表現するだけではカバー不足かもしれませんが、ここで訂正というか、補足させて頂きます*1

 

 むしろ、心身にゆとりをもった形で音楽や演劇などを楽しむぶんには、生活に彩りを与え、気分をリフレッシュする機会になるかと思うので、年齢相応のペースでお出かけになるのが望ましい、と思っています。若さを糊塗するために無茶さえしないなら、活発であること自体は決して悪いことではありません。

 

 

それにつけても、生放送の難しさ!

 

 初めて生放送に出てみて思ったのは、「これはustreamやインタビューとは違うルールのメディアなんだな」ということでした。生放送は待ってくれないし、訂正する暇もありません。長々と補足をつける余裕も無いし、「実はかくかくしかじかで……」と話題を蒸し返す猶予もありません。

 

 ごく限られた放送時間のなかで、ゲストコメンテーターの方もそれぞれにお立場・お仕事を背負ったなかでカメラに映ってらっしゃるわけで、自分の持ち時間は自ずと限られています。その、砂金のような15秒〜30秒の間に、滞りなく、過不足のないメッセージを一発勝負で喋り通すのは、やはり容易ではありませんでした。

 

 職業柄、私は人前で喋ること自体はそれなり慣れているつもりですし、持ち時間に猶予があればもう少し上手く立ち回れたのかなと思っていますが、「一手二十秒、補足無し」の状況下で、行き届かない発言があったことを残念に思います。それと、突然のVTRカット!これは結構しんどかった。

 

 さりとて、こういう事って、訓練する機会がほとんど無いので、どうすりゃいいんでしょうね?

 

 対照的に、アナウンサーの渡辺さんや、ゲストコメンテーターの皆さんはこなれてらっしゃって、なるほどプロなんだなと感じました。特に、神田うのさんは(ネットでは色々と言われることもあるらしいですが)、 CM中も含めて、ズバリズバリと筋の通った発言をなさっていて、ああ、勘の鋭い方だな、と感じました。

 

 今後、こうしたテレビ出演が再びあるかどうかは分かりませんが、人生勉強になりましたし、メディアについて考える機会ともなりました。改めて、ご覧頂いた皆様に御礼申し上げます。

 

*1:ついでに書いておくと、「若作りうつ」とは、社会的加齢の遅れが要因となってメンタルヘルスを損ねてしまう事態全般を指したいのであって、独自の病名を創作したいわけではないことを断っておきます。詳しくは、熊代亨『「若作りうつ」社会』あとがきP197〜参照

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