「統一すれば今の世代で日本に追いつける」

「統一すれば今の世代で日本に追いつける」

 本紙主催で4日に開かれた「アジアリーダーシップコンファレンス」は、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が韓国と北朝鮮の統一によるメリットを強調した「統一大当たり論」を細かく検証する場となった。「統一韓国とアジアの新たな経済地図」と題したセクションでパネラーを務めた専門家の大半は、統一が韓半島(朝鮮半島)だけでなく、北東アジア経済に極めてプラスの効果をもたらすと分析した。

 1987年に米国の株価大暴落(ブラックマンデー)を予測したことで知られるウォール街の代表的悲観論者、マーク・ファーバー氏までも「統一のシグナルがキャッチされれば、世界のファンドマネジャーが韓国株式に殺到するはずだ」と語った。

 ファーバー氏は「韓国株は現在の株価水準でもとても魅力的だ」とし、「韓半島の統一が実現するならば、韓国の株式市場は大幅に成長するとみられる」と述べた。ファーバー氏は統一後の観光業を有望視した。今年海外旅行客が1億人に達するとみられる中国から統一韓国に観光客が押し寄せるとの見方だ。

■統一で高齢化抑止効果

 ゴールドマン・サックスのクォン・グフン専務は「(統一によって)韓半島南半部の人口の高齢化を15年遅らせることができるほか、2兆-4兆ドル(約204兆-409兆円)に達する北朝鮮の地下資源を確保できる」と指摘。その上で、北朝鮮の国内総生産(GDP)が統一から15年で現在の韓国の4分の1前後の2500億ドルに達すると予測した。クォン専務は南北が香港と中国をモデルに統一した場合、10-15年後には経済規模がフランスやドイツと同等にまで拡大し、今の世代で日本に追い付くことができると分析した。

 ドイツ・マクデブルク大学のカール・ハインツ・パケ教授は、統一の過程で構造調整が起き、多額の費用負担が伴うが、それを克服すれば、強固な体力を備えることが可能だと指摘。その上で、パケ教授は「10年前にドイツは欧州の病人と言われたが、今は世界的な金融危機でも最も安定した地位を守っている。統一を通じ、ドイツでは労働市場の柔軟化、福祉制度の見直しなど改革が進み、産業の競争力が高まったからだ」と分析した。

 「環日本海経済研究所(ERINA)」の三村光弘調査研究部長は「統一は北東アジアから(日本も責任がある)冷戦の残滓(ざんし)が取り除かれることを意味する。釜山から北京まで高速鉄道で5時間で走破できるようになれば、実業家が行き交い、若い男女が結婚するようになる」と述べた。

アジアリーダーシップコンファレンス特別取材団
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 「統一すれば今の世代で日本に追いつける」

right

関連ニュース