2008-02-14 バレンタイン・ラッパンアスク
■[TRPG][D&D][ラッパンアスクの思い出] その1:地獄の釜の蓋が開いたの巻
その日、ヴェルナ神聖国の聖都ミトリックは激震した。
長らく姿を現さなかった伝説的なラオの司祭長、ヘイゼン導師が民衆の前に姿を現し神託を告げたのだ。
かつてこの地上に存在したおぞましく呪われた数々の迷宮。
その中でも最も邪悪で最も危険と呼ばれた奈落の要塞へと続く門が再びこの地上に現れたというのである。
すなわち、大魔宮ラッパンアスクの復活であった。
勅命は下された。
かの邪悪なる墳墓寺院の入り口を閉じねばならぬ、と。
かくて、詔は宣言され、世界各地から勇士が集った。
「ラッパンアスクは入るまでがヤバイ。」
2001年の秋頃から誰ともなく囁かれる様になった警句。
初期の移動につきもののランダムエンカウントは海外モジュールに挑むPCにとってしばしば致命的になる。
肉を主食にする狩猟民族が考えるイベントの奔放苛烈さは日本人の想像力の限界を容易く飛び越えて銀河系遥か彼方を目指す。
遠足ではないので中に入ってからもヤバイのだが、生存能力の低い低レベルキャラクターがのこのことフィールドを歩いているとどうなるかは
「フレイヤの坩堝」で嫌というほど味わった。
噂によればラッパンアスクに挑んだパーティーの8割が入り口を発見することも出来ずに死んでいくという。
震え上がりながら集合場所のミトリック南大門前に集合した4人+1人の英雄達にDMからす先生は優しく笑って言った。
「貴方達の最初の目的はラッパンアスク入り口に攻略橋頭堡となるテレポーターを設置することです。」
「テレポーターを設置することが出来れば、ダンジョンへの移動はスキップできます。」
「クリアが目的ですからね。」
菩薩の様な後光を放つDMを一同はひとしきり拝んだ。
「ちなみに入り口はどこにあるか分かりません。」
アルカイックスマイルを浮かべたまま、DMは巨大なフィールドマップを取り出して言った。
「この80マイルの海岸線沿いのどこかに入り口があります。」
「この森には」
彼は森を指差した。
「数十匹からなるトロルの山賊が巣食っているという噂です。」
「この丘陵地帯のどこかには」
彼は丘を指差した。
「数百匹からなるホブゴブリンの集落があります。あまり道からは外れないほうがいいでしょう。」
「ただしこの道は」
彼は南の街道を指した。
「夜になると1ダースの狼を連れたヴァンパイアの散歩コースになります。あったら死ぬでしょう。」
見る見る暗い顔になって黙り込む一同にとびきりの笑顔を向けるとDMは言った。
「だからといって」
彼は海を指した。
「海岸沿いに行こうなどとは考えないほうが良いでしょう。沖合いにレッドドラゴンが棲む島があります。海岸線は彼の縄張りです。」
ここまで聞いてプレイヤー達はキャラシートを引っつかむと部屋から脱出しようとしたが、既に出口は赤紙で封印されていた。
電撃棒で突かれて無理やりフィールド上に押し出されるPC達。
「果たしてこの中で何人が再び生きてこの大門をくぐる事が出来るだろうか…」
一応英雄なのでかっこよくRPはしたが涙目だ。
超びくびく顔の5人はシーコーストロードを南下していく。
季節は春。時はそろそろ午前の半ば。
だが、広大なフィールドのどこかに存在するラッパンアスクが撒き散らす瘴気のせいか、明るい風景も全て惨事を引き立てる演出にしか見えない。
辞世の句を捻り捻り歩いているとローグのラシードが「ン?」とつぶやいた。
このラシードは大層なローグ名人で彼が「ン?」と首をかしげるとそれだけで大層なトラップがあるという証拠であった。
ある日ラシードが茶店でお茶を飲んでいると、その茶碗を見つめて三回「ン?」と言った。
これは大層なトラップに違いないと一同が震え上がるとラシードは茶碗を持ち上げ
「これ、水が漏るなア」って言ったあとに
「武装した人間の一団が接近してくるぜ。」と告げた。
最初の遭遇からNPCの集団かよ! と皆で腰を抜かしたが
やってきたのはヴェルナの街道警備隊であった。
「南のほうでレッドドラゴンの目撃報告があったそうだ。」などと縁起でもない。
敬礼をしてさらに南下する。
しばらくいくと川が流れており、石造りの橋が架かっていた。
その橋の袂にぽっかりと口を開ける幅150ftの穴。
すわこれがラッパンアスクの入り口か!とざわめく一同。
隊列を組みなおし、恐る恐る進入する。
しばらくいくと前方からなにやら穴掘り音。
偵察から戻ったラシードが困ったような顔で「アリだ。」
というのでサイードが見に行ってみると、巨大なアリ人間が数匹で脇道を掘っていた。
「どうする?やるか?」
「いやまて、なにしろアリだ。うっかりつつくと仲間がわらわらAddってメガトレインを引き起こすかもしれん。」
「Evac用のテレポートスクロールは高い。ここで使うわけにはいかないぜ。」
「Lullしろ、Lull!」
あまりのビビりっぷりにEQ用語まで漏れ出したが、ディテクトイーヴルを使ったら悪ではなかったのを大義名分にやり過ごせないか様子を見ることにした。
3時間ほど放置して戻ってみると立派な脇道が出来ており、アリ達の姿はなかった。
安堵のため息を吐きつつ前進する一行。
すると前方から吹きすさぶ風の音が響いてきた。
音のする方向に歩いていくと急に視界が開け、目の前には巨大な亀裂がぽっかりと口を開けていた。
幅にして数百フィートはあろうかという絶壁の反対側には岩壁が広がっており、行き止まりだ。
亀裂の底を覗き込んでみると、底が見えないほど深かった。
「じゃ、これ下におりるのかなあ…?」
「フェザーフォール?」
「フライ…はスクロール高いからなあ…」
「底まで行ったらオロロン岩とかありそうだなおい。」
ブツブツ言いつつ小石を投げ入れてみる一行。
3分待ったが石が地面に当たる音は聞こえなかった。
「うっかりフェザーフォールで飛び降りてたら途中で効果が切れて自由落下だぜ…」
ゾーッとした。
「よし、帰るか!」
亀裂は見なかったことにされた。
■[TRPG][D&D][ラッパンアスクの思い出] その2:
表に出ると早くも太陽は西の空に傾き始めていた。
夜が、近づいているのだ。
唯一のセーフゾーンであったシーコーストロードにヴァンパイア警報が鳴り響く。
彼方から押し潰された様に反響するサイレンが聞こえてくる。
むせび泣く様な警報音と共に足元のテクスチャが急速に書き換わり、周囲はホラー空間になった。
「落ち着くんだ。とりあえずこの場を離れて海岸沿いに南下しよう。」
パニックに陥りかけた一同だったが、アウカンの一声で冷静さを取り戻す。
アウカン・ヴィメイラガ。大きな男であった。
ハンサムでは、ない。
岩の様な顔はよく見ると人怪である。
ゴライアスであった。
だが、その顔が笑うのを見てみたい。人をそんな気持ちにさせる男であった。
海岸に出ると、ラシードが急に小首をかしげて「はてな?」といった。
このラシードはヘンチマン故に戦闘用のフィートなど何一つ取得しておらぬ。
索敵と罠の解除に全てを捧げたローグの概念存在である。
故に馬鹿みたいな達成値で視認判定に成功した。
「そこの茂みの影に、隠し扉があるぜ。」
ラシードの報告に怪訝な顔になる一行。
なんで海岸にいきなり隠しドアなのだ。
茂みをかきわけ、隠されていたハッチを押し開けると、小さなはしごが深く深く地中に向かって続いていた。
見通すことの出来ない暗い地の底から、不吉な風が吹き上がってくる。
一同がしばし固まったあと、入り口を右クリックしてみるとシステムメッセージで
「クエストレベル10、難易度HARD」と表示された。
入り口の横には遺書を書くためのテーブルと投函用の郵便ポストがポップアップした。
「よし!先に進むか!」
隠し扉は見なかったことにされた。
メリケンまっじすげーーーー!
3.5だと去年の暮れにCastle WhiterockというメガダンジョンがGoodman Gamesってとこから出ましてね。
これも相当なもんだって話ですよ。
めっちゃ楽しそうDMが。
こんなマスタリングが許される環境でゲームしたいねぇ
やっぱ、給食にファーストフード組み入れるヤンキーは半端じゃないんですね。
ありがとうございます!ありがとうございます!!
勢いがつき過ぎたのでブレーキを踏みます。峠はブレーキの勝負。
>飛竜/いしやまさん
濡れ濡れです。上も下も右も左もぐしょぐしょです。血で!
……血で!!!!!
>小太刀さん
プレイするたびに絶対誰かが「おいいぃぃーッ!!」って叫びます。
プレイアビリティ?なにそれホワーィ?ってデザイナーが言ってる気がしました。いや、言った!言った事になった。
>phizwhizさん
実際は寝言駄々漏れのgdgdプレイが多いですハハハハ!
Goodman Gamesって会社名から既に本気っぽい殺意を感じます。
ううう…
>Caneさん
DMもPLも超楽しんでいます。血も涙もないDMみたいに書いていますが、からす先生は超PLフレンドリーです。「そっち行くと死んじゃいますよ」って教えてくれます。でも時々殺意と善意の狭間で苦悩するので怖いです。
>mrmriさん
なんかもうハッピーツリーフレンズです。気分はもう戦争です。
歌うしかない。スーパーサイズミー!スーパーサイズミー!
続きマダー(愚鈍な子供っ面で)
続き書きました。げへへ。