柏通り魔:任意同行求められ「チェックメート」
毎日新聞 2014年03月06日 11時46分(最終更新 03月06日 12時16分)
千葉県柏市の連続通り魔事件で、強盗殺人容疑で逮捕、送検された自称無職、竹井聖寿(せいじゅ)容疑者(24)=同市あけぼの=が、5日朝に現場近くの自宅マンションで捜査員から任意同行を求められた際、玄関先で「チェックメート(チェスで「詰み」の意味)。分かりました」などと話していたことが捜査関係者の話で分かった。その後、捜査本部のある柏署で行われた任意聴取で、同じマンションの別フロアに住む会社員、池間博也(いけま・ひろや)さん(31)の刺殺を含む一連の事件について認める説明を始めたという。
また、県警柏署捜査本部によると、5日朝の時点で市民から計53件の情報が寄せられたが、その中に竹井容疑者を指摘する「不審者情報」があった。任意同行を求めたのはそのためだったという。
逮捕後、竹井容疑者は「金を取る目的で人を刺した」と供述。池間さんのほか、財布や車を奪われるなどした被害男性3人との面識は「なかった」と供述しているという。調べには素直に応じているというが、時折「社会を変えたいと思った」などと唐突に話したり、涙目で「(事件を)後悔しています」と言うこともあるという。
竹井容疑者は捜査本部に職業を聴かれた際には、「無職」と述べているが、生計の手段については「親からの仕送りや生活保護」などと供述しているという。インターネット掲示板に頻繁に書き込みをしていたとの情報もあり、捜査本部は生活実態についても調べを進める。【荻野公一】
◇7日以降は通常登校に
容疑者逮捕の発表から一夜明けた6日朝、池間さんが殺害された現場には花束が手向けられていた。近くに住む無職男性(75)は「子供が心配なく通学できるようになったことが一番」とほっとした表情で語った。
現場に近い市立柏第一小学校の杉浦毅教頭は「容疑者が早く捕まって良かった。地域の人たちも皆安心している」と話した。この日も前日に引き続きクラブ活動や委員会を休止、近隣の児童同士でまとまって登校するように呼び掛けたが、7日以降は通常に戻すという。
近くに住むパートの男性(68)によると、日中に何度か竹井容疑者を見かけたが、いつも1人で歩いていたという。約2カ月前には自宅マンションに集積所があるにもかかわらず、隣の集積所にごみを捨てる姿を目撃した。空き缶や可燃物が分別されていなかったこともあり「なぜ隣に出すのか」と不審に思ったという。