STAP細胞ネタは出し尽くし…のつもりでしたが、
小保方晴子STAP論文問題 岡野光夫教授のセルシードとの利益相反などに飛び火の件で補足。JuuichiJigen(11jigen)さんのブログ見ていたら、私が思っていた以上に利益相反系の話がたくさんありました。
直接的にSTAP細胞と絡むわけではないものの、岡野光夫東京女子医大教授の件だけでわんさか出ています。
小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑: 岡野光夫 2014年2月11日火曜日
http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post.html●2011年のNature Protocol誌の論文
内容:(株)セルシード社の製品の細胞シートの性能に関するもの
小保方晴子博士:第二著者
岡野光夫教授:論文の共著者。(株)セルシードの関係者。有価証券報告書(S0008294)によると東京女子医大の岡野光夫教授は2010年12月31日の時点で、当社株式138,000株と新株予約権1,010個を所有
大和雅之教授:論文の(株)セルシードの関係者
これは前回も出てきた論文ですね。「”金銭的利益相反は無い(The authors declare no competing financial interests.)”と宣言してい」たようです。
"利益相反事項(論文出版により金銭的利益を得たり失ったりする可能性のある企業の社債や株の保有など)は、論文投稿の際に開示するべき"とされています。利益相反行為そのものより隠蔽するのが悪いという話です。
●2011年のTISSUE ENGINEERING誌論文
内容:セルシード社の関連の深い細胞シートに関する研究の報告
小保方晴子博士:第二著者
岡野光夫教授:責任著者。セルシード社大株主で役員
しかし、岡野光夫教授らは論文中において、金銭的利益相反を否定しているようです。マズいなぁ、これは…。
以下も同様。
●2010年のCirculation誌論文
内容:セルシード社に関連の深い細胞シートに関するもの
岡野光夫教授:共著者。セルシード社大株主で役員
●2009年のJ Clin Invest.誌論文
内容:セルシード社に関連の深い細胞シートに関するもの
岡野光夫教授:共著者。セルシード社大株主で役員
最後のものは小室一成教授グループの論文みたいですね。STAP細胞論文での疑惑が出る前の不正疑惑論文界のスター的存在だったようです。
小室一成グループ 論文疑惑
東京大学大学院医学系研究科循環器内科学の小室一成教授(元千葉大学、大阪大学)の研究室が発表した論文に関する疑惑についてのまとめブログ。 疑惑1: 不適切な複製実験画像について。 疑惑2: 小室一成教授が代表を務めた降圧薬バルサルタン(ディオバン)の臨床研究VARTに、ノバルティスファーマ社の白橋伸雄氏が身分を隠蔽して統計解析に関与していたことが判明しています。組織ぐるみの詐欺的販売促進活動か?
http://komuroissei.blogspot.jp/
あっ、ノバルティス・ディオバン問題にも絡みあったんですね。「また東大」という覚えしかなかったのですが、そっちの絡みもあるとは…と思って検索かけたら、私のブログでも出てきていました。私がお名前を覚えていなかっただけか…。
過去に書いたものってのは、
ディオバン論文でデータ不一致の千葉大、「不正なし」と謎の見解ですね。今は東大ですが、千葉大在籍時のことが問題になっています。
それにしても、小室一成教授はすごいですね。ご自身の件だけでも疑惑があるのに、ディオバン問題、STAP細胞問題という最近の日本を代表する二大疑惑にも絡んでいます。本当この不正疑惑業界(?)の顔となる素質を秘めた有望株です。
セルシード関連の利益相反未記載問題は、下記のページにも3つ載っています。
小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑: 利益相反事項の隠蔽問題 2014年2月13日木曜日
http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_44.html ただし、1つ目と2つ目は先ほどと同じ論文みたいです。ですので、最後だけ新作です。ただ、こちらは論文ではなくて特許でした。
●STAP細胞に関わる国際特許(WIPO Pub. No.: WO/2013/163296)
小保方晴子氏ら理研、チャールズ・バカンティ教授らのハーバード大学医学部ブリガム&ウィメンズ病院、大和雅之氏の東京女子医科大学らが共同で出願中のものだそうです。
"Natureグループの雑誌では、このような利益相反事項(論文掲載の可否によって価値が変わるような特許を出願している場合など)は、論文投稿の際に開示する義務が"あるものの、これが例によって「金銭的利益相反は無し」と明記。Natureの規約の”Personal financial interests(個人的な金銭的利益)”の項目に違反しているようです。
あと、大和雅之教授の件でも補足。ツイッター途切れるくらいならいいじゃないと思うのですが、私が前回追記したものの他にも欠席している学会があるようですので、合わせ技で心配なことに。ひょっとして行方不明状態なんですかね?
STAP細胞論文の共著者大和雅之さんに何がおきたのか。重要学会を次々 はてな匿名ダイアリー
共著者のひとりである大和雅之教授が2月5日を最後にtwiterを休止してることがわかった。(中略)
再生医療研究に携わる日本国内の学者が一堂に会する再生医療学会総会が3月4日から始まるが、
大和教授はこの重要学会の座長を辞退したことも明らかになった。
またこのほかにも、大和教授は3月2日の日本獣医再生医療学会の特別講演をキャンセルしてることがわかった。
http://anond.hatelabo.jp/20140225162613
ツイッター投稿の最後の日である2月5日の時点で疑惑の声が上がっていたので、その関係か?という憶測があるようです。この時点ではまだまだ疑惑が燃え広がる前でしたので、だとすればずいぶんと素早い動きだと思います。(以下、一部省略)
小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑: 小保方晴子氏の騒動の経緯
2014年2月5日(米国時間) Pubpeerで、 Nature Article論文の電気泳動画像の不正疑惑が浮上する。
2014年2月12-13日 Tissue Engineering誌の論文の不正流用画像が2ch生物版スレで指摘され、世界変動展望ブログに図がUPされる。
2014年2月14日 小保方晴子氏、総合科学技術会議土壇場で欠席(時事通信)
2014年2月15日 理化学研究所が2月13-14日に小保方晴子氏に聞き取り調査を行ったと、毎日新聞により報道される。
2014年2月16日 慶應大学の吉村氏、TCR組み換えのデータの件を指摘
2014年2月17日 明石市立市民病院研修担当部長の金川氏も、TCRの件を指摘
2014年2月17日(米国時間) Natureが調査を開始する。
http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_5586.html
上に理研の聞き取り調査の話が出ていますが、理研(理化学研究所)はこの後ほとんど動きなしです。ネットでは論文共著者である笹井芳樹副センター長の上原賞贈呈式がある3月11日まで粘る気なのでは?や、東日本大震災報道のある3月11日にぶつけるのでは?みたいな憶測まで飛んでいました。
しかし、時間が経ってもこの問題は風化するどころか、より大ごとになってきています。こんなことになるとは1ヶ月ほど前は夢にも思いませんでしたわ。
…と下書きした後に、理研の作製手順公表が来ました。
STAP細胞の作製手順を公表 理研、国内外の要望受け 2014年3月5日20時09分 朝日新聞
新しい万能細胞「STAP(スタップ)細胞」について、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は5日、詳しい作製手順をまとめた文書をウェブサイトで公表した。国内外の研究者から「論文の情報だけでは細胞を作れない」などとして、より詳しい手順の公開を求める声が出ていた。(中略)
今回は、この細胞の作り始めから終わりまでを8段階に分けたマニュアルを公表した。STAP細胞に変えたい細胞は事前に酵素などでバラバラにしておくことや、オスの細胞のほうがメスよりできやすいなど、細かな注意点も記した。(小宮山亮磨)
http://www.asahi.com/articles/ASG355HWPG35PLBJ001.html
一斉に各社が報道して、素人目にはこれで疑惑完全払拭か?と思うかもしれません。実際、各社の報道を読んでみるとそんな雰囲気です。しかし、2ちゃんねるの専門板はそうでもなさそうですね。
私はよくわからないので議論がある程度まとまるまで内容を紹介することも避けますが、今まで擁護側に立っていた人が批判派に寝返るほどめちゃくちゃな作製手順だったようで、2ちゃんねるの検証スレは祭り状態。逆に住人の疑念はいっそう増したようです。
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