3月5日、最後の国立競技場。冷たい雨はいつしか上がっていた。
この日の「雨のち曇り」の天気とは違って、2014年のザックジャパン初戦は「晴れのち雨」と言ったところか。格下のニュージーランドに前半17分までに4点を取ったゲームだが、その後2点を取られたゲームでもあった。試合後、選手たちの表情が一様に晴れなかったのも、「雨」の部分が気がかりだったからではないだろうか。
ケガで離脱している長谷部誠の代わりにキャプテンマークを巻いた長友佑都は、厳しい顔つきで言った。
「チームとしていい入りができて4点は取れた。でも2失点しているし、そこは見ないといけない。(攻撃では)後半、チャンスはあったのに、決められなかった。(守備では)コートジボワール戦で今日みたいにクロスを入れられていたら、2、3点は取られてしまっていると思う」
課題の一つ「試合への入り方」は実によかった。
ザックジャパンの課題の一つになっている試合への入り方は、実に良かった。
相手2トップのプレスをいなすようにセンターバックの間に山口蛍が下りてきてボールを回し、右サイドから攻略していく。裏が狙い目と分かれば、前半4分には引いてボールを受けた香川真司が、右サイドから中に斜めに入ってきた岡崎慎司に長いパスを送って先制点が生まれた。前半7分には、仕掛けて倒されて得たPKを香川真司がしっかりと決めて2点目。
日本はここからまたギアを上げた。
得点が入っても気を抜くことなく、攻守の切り替えにはスピードと迫力があった。
前半11分、FKに森重真人が頭で合わせて3点目を奪ったが、この場面も守備での本田圭佑のチェックが効いてセットプレーを得ている。6分後、本田のパスに岡崎が抜け出して決めた4点目も、山口のプレスからボールを奪ったことから始まっている。山口、青山敏弘の鋭い出足が守備にリズムをもたらし、前半25分過ぎまではつけ入る隙すら与えなかった。吉田麻也からサイドチェンジのパスも多く出て、揺さぶっていくというチャレンジも見られた。
序盤からの集中力の高さで言えば、2012年6月のW杯最終予選オマーン戦(3-0)、ヨルダン戦(6-0)を彷彿とさせた。
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