PC遠隔操作事件・片山祐輔被告の保釈について

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「自由というのは眩しいものだな」PC遠隔操作事件・片山祐輔被告が保釈会見 | ニコニコニュース

この事件については、以前も何度か紹介した十八世紀イタリアの法学者チェーザレ・ベッカリーアが当時の欧州司法制度を批判して書いた「犯罪と刑罰」(1764年)の以下の部分を引用するだけで足りると思っている。

『拘禁は、訴追をうけたある市民が有罪かどうかの判決を受けるまでの間、その身柄を確保しておくための手段にすぎないのであって、ほんらい、なさけない、ざんこくな手法なのだから、その期間はできるだけ短く、またできるだけそのきびしさを緩和してやるようにつとめなければならない。逮捕された市民は、審理の手続きに必要な期間以上留置されるべきではない。また先に逮捕された者から裁判に廻すべきだ。
拘禁中の被告人の身柄の拘束は、彼が逃亡し、証拠を隠滅することをさまたげるのに必要な程度をこえてはならない。審理そのものがまた、遅滞なくこぼれ最小の期間内に終わらなければならない。むとんちゃくにのんびりとかまえている裁判官と苦しみもだえている被告――なんとおそろしい対照だろう。』(ベッカリーア「犯罪と刑罰」P109~110)

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当然のことながら、十八世紀当時の前近代的な糺問主義的司法制度と、現代日本の司法制度とでは大きく異なるわけだが、結果として当時の司法制度に対する批判が現代でも一定の説得力を持って聞こえるという点に象徴されるような司法制度の根本的な問題は、国際社会からも国内の専門家たちからも批判されているところだ。

容疑者をクロにすることが司法の信頼を形成するのではなく、裁判において証拠に基づく正当かつ透明な手続きを経ることが司法の信頼を形成するのだという点に、警察・検察を始め司法関係者は気付いて、そして改革に着手してほしいなぁと願わずにはいられない。

このあたりの司法制度の歴史的背景や問題点等々については以前何度も記事に書いたので、あらためて関連記事として紹介しておきます。
■欧州
何故、中世の司法制度は「自白」に頼っていたのか?
「犯罪と刑罰」チェザーレ・ベッカリーア 著
今こそ「異端審問」を振り返る~何故スペインで異端審問は激化したのか?
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■日本
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