中国の国防費大幅増 米が透明性求める

3月6日 10時58分

中国の国防費が去年に比べて１２．２％増え、引き続き高い伸び率となったことについて、アメリカ国務省のサキ報道官は、「より透明性を高めるよう促していきたい」と述べ、中国に対し、国際社会の懸念に応えるよう求めました。

中国政府は、５日開幕した全人代＝全国人民代表大会に提出した予算案で、国防費が、中央政府分だけで日本円でおよそ１３兆４０００億円に上り、去年の執行額に比べ、１２．２％増えたことを明らかにしました。
これについて、アメリカ国務省のサキ報道官は、５日の記者会見で、「われわれは、中国が事前の説明なしに東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定したときも懸念を表明した」と述べ、中国の国防政策が透明性に欠けていると指摘しました。
そのうえで、「中国には、軍事力や軍事的な意図についてより透明性を高めるよう促していきたい」と述べ、国際社会の懸念に応えるよう求めました。
中国政府が発表した国防費には、外国からの装備の調達や研究開発にかかる費用が含まれていないとみられるうえ、内訳も一切明らかにされておらず、国際社会からは、透明性を欠いたまま軍備増強を続けているとして懸念が強まっています。