はだしのゲン:宮城県教委、公立小中高498校を調査

毎日新聞 2014年03月04日 19時57分(最終更新 03月04日 20時06分)

はだしのゲン=山崎一輝撮影
はだしのゲン=山崎一輝撮影

 宮城県教委が先月、県内の公立小中高計498校(仙台市立を除く)に対し、故・中沢啓治さんが広島での被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」を学校図書室で読めるかどうか、調査していたことが分かった。県教組などは3日、「教委が特定の本の配架状況を調査するのは、その本に問題があると印象づける恐れがあり、閲覧制限につながる」などとして、県教委に同様の調査を行わないよう要請した。

 県教委によると、調査は2月下旬に書面で実施。小中学校には、図書室で生徒が自由に読める状態で棚に置いてあるかを尋ねた。高校では、閲覧の可否や、現在は図書室に備えていない学校の配備予定の有無なども聞いた。現在、集計中という。県教委は「特定の本を対象にした同様の調査は少なくとも近年は行っていない」と異例の対応であることを認めている。

 はだしのゲンは、平和教育の教材としても読まれてきた。2012年、松江市教委が小中学校に閲覧制限を要請した(13年に撤回)ことが問題となり、議論を呼んだ。【久木田照子】

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