女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」はそろそろ“賞味期限切れ”か。
今年最後の国際親善試合2連戦の真っ最中。相手は国際サッカー連盟(FIFA)女子ランキング3位の日本に対して同32位のナイジェリアだ。22日の第1戦(長崎)で6月20日のニュージーランド戦以来、94日ぶりに代表復帰となったMF澤穂希(35)=INAC神戸=がフル出場。テレビ朝日がゴールデンタイムで生中継を行った。
気になる平均視聴率は10・1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、同時間帯では「不合格」(民放関係者)といわれる2ケタ切り目前だった。澤は「いい試合だった」とコメントしたが、なでしこへの注目度は明らかに落ちている。
理由は明白だ。2011年W杯ドイツ大会での初優勝、昨年のロンドン五輪で銀メダルに輝いたが、35歳の澤を筆頭に“アラサー世代”の主力組と若手組のレベルの差が、五輪が終わって1年たっても全く縮まっていないからだ。
主力組は11年に国民栄誉賞も受賞したが「勘違いした選手が増えた。地道にけなげに活動していたあの頃が懐かしい。だからこそ世代交代をしないといけない」と日本サッカー協会幹部も嘆いている。
世代交代を日本協会から一任された形で続投した佐々木則夫監督(55)は、今回のナイジェリア2連戦に41人もの選手を招集して、2つにグループ分けする苦肉の策に出た。2試合とも招集されているのはMF宮間あや(28)=岡山湯郷=、FW大儀見優季(26)=チェルシー=、FW川澄奈穂美(27)=INAC神戸=の3人だけだ。
26日に行われる第2戦(千葉・フクアリ)は当初テレビ中継は予定されていなかった。だが“半沢景気”にわくTBSがCSチャンネルで放送を決めた。それでも生中継ではなく深夜の録画放送という格下げ扱い。これがなでしこジャパンへの評価でもある。 (夕刊フジ編集委員・久保武司)