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堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく
【第5回】 2014年3月6日
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堀江貴文

第5回
[三田紀房✕堀江貴文 対談]
小利口なヤツになるな。行動できる「バカ」になろう!

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東大合格請負漫画『ドラゴン桜』で社会現象を巻き起こした漫画家の三田紀房さん。じつは『ドラゴン桜』当時から堀江貴文さんとは旧知の仲で、今回『ゼロ』の刊行を記念して数年ぶりの再会を果たしました。現在、株式投資学園マンガ『インベスターZ』を連載中で、『ゼロ』にも大いに感銘を受けたとおっしゃる三田さんと、堀江さんの常識破りの対談、ぜひお楽しみください!(構成:古賀史健、写真:田口沙織)

常識に隠された
「嘘」を暴く

堀江貴文(以下、堀江) 刑務所にいたとき、三田さんの過去作をたくさん読んだんですよ。

三田紀房(以下、三田) そうなんですか。過去作って、『エンゼルバンク』とか?

数年ぶりの再会を果たした三田紀房氏(右)と堀江貴文氏。

堀江 いやいや、もう『クロカン』とか『甲子園へ行こう!』とか、あのへんまで。

三田 へえー! それは嬉しいなあ。

堀江 だって『ドラゴン桜』『エンゼルバンク』はもともと読んでましたし。出てきてからも『インベスターZ』『砂の栄冠』も読みましたけど、とにかく「この人、どこまで甲子園が好きなんだろう」って(笑)。

三田 やっぱり高校野球って、描きたくなるサイクルがあるんですよね。ただ、いまどき普通に高校野球マンガをやってもおもしろくないから「おじいちゃんが1000万円持って『これを使って甲子園に行ってくれ』と頼みにくる」みたいな発明が必要なんですけど。

堀江 でも、テーマは一貫してますよね。世間で常識だと思われていることをひっくり返す、という。しかも、ただの「非常識」じゃなくって、ロジカルに常識の嘘を暴いていく。

三田 ああ、そうですね。

堀江 だから現実の高校野球に絡めて言うと、開成高校の野球部なんかがいちばん近いというか。

三田 おお! それはマニアックな指摘ですね。

堀江 高校野球って守備が弱いし、ピッチャーもエースひとりに頼り切りになっちゃって、エースが崩れるとチームもボロボロになる。だから普通は守備練習に力を入れるんだけど、開成高校はバッティング練習ばっかりやるんですよね。守備は捨てて、打撃だけに集中する。

三田 あれって、「持たざる者」ならではの逆転の発想なんです。まず、開成高校には野球用の十分なグラウンドがない。それで、中途半端に守備練習するくらいだったら、その時間をバッティングに使おうと。打撃練習ならバッティングケージの中でできますから。10点取られても11点取ればいい、という発想ですよね。

堀江 おもしろい。

三田 中途半端にしない。「やること」と「やらないこと」をはっきりさせる。

堀江 それで東東京予選でベスト16とかまでいってるんですよね。

三田 そうなんです。守備はガタガタですけど(笑)。

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渡部 昭彦 著

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<内容紹介>
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堀江貴文 

 

1972年福岡県八女市生まれ。実業家。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。民間でのロケット開発を行うSNS株式会社ファウンダー。東京大学在学中の1996年、23歳のときに有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。2004年から05年にかけて、近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などといった世間を賑わせる行動で一気に時代の寵児となる。しかし2006年1月、証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され懲役2年6カ月の実刑判決を下される。2013年11月に刑期を終了し、ふたたび自由の身となって「ゼロ」からの新たなスタートを切ったばかり。

 


堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく

2006年に逮捕されすべてを失った堀江貴文。その刑期満了の時期に刊行したのが『ゼロ』である。そこには「働くこと」「生きること」に関する彼の熱い思いが詰まっている。人は誰しも最初「ゼロ」であり、そこに何をかけてもゼロのままだ。となれば、まずは地道な足し算を積み重ねるしかないと堀江氏は説く。それは「ゼロの自分」に「小さなイチ」を積み重ねた本人の偽らざる実感でもある。本連載では『ゼロ』の内容に即して「働く」ことの大切さを時代の最先端を行く人達を語り合う。

「堀江貴文のゼロ──なにもない自分に小さなイチを足していく」

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