kahoの日記: STAP細胞の非実在について#2 25
前回の日記は思いの外反響があり,驚いています.
察していただいた方もいらっしゃった通り,私は件の論文に直接関わる立場ではないのですが,研究所の外から見れば「中の人」になります.
内部では実名でこのような活動をしており,隠れているつもりはありません.内部でどうしても解決できなかった場合は外へ向けて情報を出すでしょうが,それまではできるだけ内部での解決を目指しています.
その目的は迅速な論文の撤回とできる限りの真相の解明がなされることであり,また動機は科学への信頼,研究所への信頼の棄損を許せないことが半分,この状態を曖昧にしておくことで私個人の研究活動も制限を受けかねないのでそれを防ぎたいという私利私欲も半分の動機となります.
科学的な事実を争う立場としては私は間違っていないという自信がありますが,政治的に勝利できるかどうかは全く分かりません.
更にいくつかの証拠をここに書こうと思いましたが,今回の論文の著者らに手の内を知らせずに2の矢3の矢を放たなければならない状況になってきましたので,解析結果をここに書くのは彼らにそれらを突きつけてからという順番になりそうです.
前回の日記で述べた"input"の比較データについては下記のアドレスから閲覧できるようにしました.ここには図を貼れないので,UCSC Genome Browserの力を借ります.
同じデータは公開データを使うことでどなたにも作成できるはずです.
TCR-beta
http://genome.ucsc.edu/cgi-bin/hgTracks?hgS_doOtherUser=submit&hgS_otherUserName=stopstap&hgS_otherUserSessionName=TCR%20beta%20rearrangement%20test
TCR-alpha
http://genome.ucsc.edu/cgi-bin/hgTracks?hgS_doOtherUser=submit&hgS_otherUserName=stopstap&hgS_otherUserSessionName=TCR%20alpha%20rearrangement%20test
また,おまけをつけておきます.これが何を意味するかはいずれわかると思います.
chrX
http://genome.ucsc.edu/cgi-bin/hgTracks?hgS_doOtherUser=submit&hgS_otherUserName=stopstap&hgS_otherUserSessionName=Appendix
応援しています (スコア:0)
何の役にも立たないコメントで申し訳ないのですが,同じ研究者(情報系)として応援しています.
先の日記を読むと,妙なバッシングをする人がいるようですが,がんばってください.
理研の他の研究所は今回の対応をどう思っているのでしょうか・・・
、、、え? (スコア:0)
これ、使われてる細胞の性別が違うってことね。。。
酸処理で性転換が起こった?
事はもっとシリアス?? (スコア:0)
kahoさん、ありがとうございます。論文にでてくるCD45+細胞は酸処理で性転換を起こした。好意的に見ると。。。
悪意を持ってみるとSTAP幹細胞を作って行く各段階の細胞が違う個体(幹細胞と酸処理したものは雄、なるほど、雄の方がSTAPができ易いからね、でも酸処理前のCD45+として表示されている細胞集団は雌からとられたものってことね。)から派生した、データに一貫性が無いという事ですね。
さすがにGFPは持ってるんだろうね。
ESCとSTAP-SC (スコア:0)
こんにちは。おはようございますか?上の人が指摘している以上に、、、
これ、論文で比較されているESCとSTAP-SCも性別が違うってこと?
なら、転写解析結果もある程度、違って当たり前では無いの?性差を見ている可能性があるだろうから。
ESで性差がどれくらいあるのか知らないけど。
決定的な問題との結論は早急か? (スコア:0)
私が勘違いしているのかもしれませんが、DNA-Chipではなく、RNA seqのデータですよね。STAP細胞と比較しているCD45+細胞が、STAPの由来となった細胞とは違うということをおっしゃりたいのだと思います。ただ、一般的なCD45+細胞とmRNA発現パターンを比較しているとすれば、決定的な問題というわけでもなさそうです。もちろん、理想的には由来となったCD45+細胞をコントロールにするのが筋ではあります。TCRに関しては、元論文でも、TCRのrearrangementがSTAP細胞塊のうち、どの程度の頻度で起こっているのか分かりませんので、このRNA-Seqのデータのみで捏造と結論するのは危険だと思います。もし、CD45+からSTAPになったもののうち、10%しかT cell由来のものがなかったとしても、TCR rearrangementの有無をRNA-Seq解析から判定できるのでしょうか?当該論文では、"In addition, genomic rearrangements of Tcrb (T-cell receptor gene) were observed in Oct4-GFP+cells derived from FACS-purified CD45+ cells and CD90+CD45+T cells (Fig. 1i, lanes 4, 5, and Extended Data Fig. 2e–g), indicating at least some contribution from lineage-committed T cells."と記述されています。この"at least some contribution"というところが大事なところだと思います。「中の人」ということですので、老婆心からコメントさせていただきました。
Re: (スコア:0)
著者らはNatureのと今回のプロトコールとで、都合の良いときはSTAP細胞はT cell由来と言って、都合が悪いときはSTAP細胞はT cell以外の物も含まれると主張していて、どうしようもないよね。
Re: (スコア:0)
この人が見ているのは染色体免疫沈降実験のinput DNA。つまりgenomic DNAみたいなもんだ。だからあなたの批判はあたらない。
Re: (スコア:0)
RNA-Seqではなく、ChIP-Seqのinputと記述してあるが。あなたは素人か学生さんですか?
Re: (スコア:0)
Chromatin immunoprecipitation (ChIP)- sequencing の input でしょ?基本全ゲノムのショットガンシーケンスなのでは。
Re: (スコア:0)
私見では,完全にあなたが勘違いされていると思います.私もChip-seqを自分でやるわけではないので,何か勘違いしている可能性がありますが,Chip-Seqだからこそゲノム情報が分かるんだと思いますが..Chip-Seqするときはinputといって,抗体を使って特定のタンパク質が結合する部位をenrichする前のゲノム断片も一緒にシーケンスして,このInputに対してどのくらいのenrichmentがあるかを見るもんだと思います.つまり,inputというのは基本的にゲノムDNAを断片化しただけのものなんで,これらの配列情報を読めば基本的にはゲノムの情報がわかることになるわけですね.ただ,Chip-Seqするときは,本気でゲノムを読むときほどリード数を多く読まないので,完全にゲノム配列を再構成できるほどにはならないのでしょう.その辺でkahoさんは工夫されたんだと思います.
Re: (スコア:0)
だから、ゲノムだとしても、STAP細胞というものが、TCR rearrangementが起きてない細胞も含まれる雑多な集団だ、という逃げ道を著者らは言っていることを、コメント者は指摘しているのでしょ。
でも雑多な細胞集団だとする場合、本当に多能性を持った所謂STAP細胞がT cell由来だという証拠がないことになるという自己矛盾を筆者らは抱えていると思うけども。
Re:決定的な問題との結論は早急か? (スコア:1)
rearrangeしたT-cell 10%
それ以外 90%
で、酸処理でもこの比率がかわらないとしたら、rearrangeで抜け落ちる
ゲノムの領域にあたるNGSのshort readの数(か、k-merかなにか?)は
rearrangeが本当に起こったT-cellが含まれる場合
と
rearrangeががあったT-cellが全く含まれなかった場合
の比率は90:100になり、統計的にはっきり示せるかどうかですね。
著者がゴネそうですね。
いや、あそうか、rearrageした境界に出現するような特別な配列を探せばよいのか。それならば、鋭敏にrearrangeを検出できるかも。
おっしゃるように著者側も最も肝心な証拠のひとつが提出できていない、ということになりますが。
Re: (スコア:0)
でも性別は変わらないんじゃない?
勘違いです。 (スコア:0)
全くの勘違いです。Chip-seqです。
ちゃんと本文を吟味してからコメントしましょう。
本人は (スコア:0)
またできたと言っているようですが、さて、真偽は?
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140306/scn14030609000001-n1.htm [msn.com]
Re: (スコア:0)
切腹は避けられないか……。
Re: (スコア:0)
幼稚すぎ
Re: (スコア:0)
これ、GFPがポジになるってだけだったら、関学の関さんみたく「あーやっぱ自家蛍光だった」てので終わるような気が。キメラを作るってのはできなそうだし(若山先生いないし)。
配列の多型を調べて、 (スコア:0)
由来したマウスの系統が論文の記述通りか確認したりできないもんでしょうか?
是非頑張ってください (スコア:0)
kahoさんが、理研内部にいながら、この研究に対して科学的に真摯に検証されている姿、頼もしく思います。
私も、迅速な論文の撤回とできる限りの真相の解明がなされるべきと考えています。
残念ながら、今の理研の対応には失望しています。保身に走っているようにしか見えません。
kahoさんが、理研内部にいる身で今回の問題に対してこのように声を上げていくことは非常に大変だと思いますが、科学や理研に対する信頼が失われないよう、是非とも頑張ってください。応援しています。
ぜひ反論は査読誌上で (スコア:0)
STAPの論文を信じている訳ではありませんが、匿名で"査読なし"の形で
こうやって批判を展開されることに違和感を感じます。
科学者としてあまり健全なやり方とは思えないように思います。
(あなたの評判をも落とす可能性があります)
結果に疑義があるなら、まず査読論文誌の反論となるような論文を出版し、
きちんとpeer-reviewがされる査読誌上で議論を展開していくべきでしょう。
Re:ぜひ反論は査読誌上で (スコア:1)
内部に近いとあれば、自浄作用として内部で討論し理研として訂正等発表するのもアリでしょう。
他からの指摘による理研自体の信用失墜よりも理研自らミスを認める方がダメージは少ない。
Re:ぜひ反論は査読誌上で (スコア:1)
#2557225 のACさんの意見に賛成。
自浄作用が働くことをきちんと示すことはアリだと思います。
まぁ、オープンな場でやってくれてもいいとも思いますが。
少なくともそーゆー意味では査読誌はなんだかんだ時間がかかるんで、
そんなとこでちんたらやってる場合じゃない、という感覚は全くもって
おかしくないと思います。データや議論を公開してある意味公開査読を
うける形に問題があるとはあまり思えません。匿名性についてはなんか
もうほとんどなくなってるようにも見えますし。
あと、査読誌でも査読者がそんなにたくさんいるわけでもないし。
つか健全不健全で言うなら、当事者の反論が全然聞こえてこない方が
不健全だと思うんですけどね…。山梨にいる先生のような対応が普通で、
本来あるべき姿だと思うんですけど…。
Re:ぜひ反論は査読誌上で (スコア:1)
この人は内部で実名でやってるみたいだし、相当なリスクと覚悟でやってるでしょ。
理研と日本の名誉を守るために、著者たちにデータからみえる事実をつきつけて、誠実なたいおうしろと。
査読付ので外部からやられたら、それこそ理研も日本もおわりだわ。
Re:ぜひ反論は査読誌上で (スコア:1)
(あなたの評判をも落とす可能性があります)
研究者や科学者ってのは、結局何が欲しいのかねぇ。
研究者でも科学者でもない私から見るに、今回の騒動、根底はここなんじゃないかと思っています。
真実を得るための選択に対して、批判するのことももちろん自由ですが、もう少し「真実を得るため」というところを踏まえてもいいんじゃないかなぁ。名声や金だけを見るんじゃ、彼らのいる意味って薄くなる一方です...
Re: (スコア:0)
Anonymous Coward の指摘を真に受ける必要はありませんよ。kahoさん。私もAnonymous Coward ですがw
私は非実在そのものよりも論文の一貫性が問題だと思います。