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スポーツ
【舞の海の相撲“俵”論】小保方さんの言葉で思い出した“狂おしい情熱”
2014.3.6 11:10
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大学4年だった自分が持っていた全財産は5万円。教科書代とウソをついて母から仕送りしてもらった15万円を併せ持って九州を訪れた。大相撲界に入るためにはどうしても、あと4センチ身長が必要だった。その地に背を伸ばしてくれると評判の老人がいた。報酬はちょうど20万円だった。
2泊3日。水は飲ませてもらえず、「つばや鼻水も全て栄養だから飲み込め」と指示された。1日1回、眼光鋭い老人は私のひざに手を当てる。3日目の朝、「もう身長は伸びた。東京に帰りなさい」と言われた。
興奮して大学の合宿所に帰り、同級生に見守ってもらいながら身長を測った。1ミリたりとも伸びてはいなかった。
もう20年以上も前の話になる。今だからこそ笑い話にできるのかもしれない。
大学卒業前の3月に受けた春場所の新弟子検査では、鬢(びん)付け油を塊のまま髪の毛の中に隠して挑んだ。しかし、その日は予想以上に気温が上昇した。検査会場に着く頃には油は溶けていた。検査を担当する元横綱柏戸の鏡山親方に隠した油が見つかり、怒られた揚げ句に、あっさりと不合格を言い渡された。
すぐ堺市内にあった出羽海部屋の宿舎に戻って、まとめた荷物を近くの酒屋から東京に送り返した。情けなくて、悔しくて、寂しくて。
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