日本人なら愛さずにいられない和菓子の一つ、豆大福。大福の起源は江戸時代、東京小石川にあると言われていますが、その発祥の地、東京には日本人を魅了して止まない、人気の三大豆大福なるお店があります。
有楽町線「護国寺駅」を出てすぐ、 音羽通りにひっそりと佇む大正初期創業の老舗の和菓子屋、「群林堂」(ぐんりんどう)。この界隈は昔から出版社が多く立ち並ぶエリアで、著名な文豪たちが愛した大きな豆大福として有名なお店です。
この日も、平日の朝10時の開店直後にも関わらず、既に行列ができていました。手土産用なのか、20個以上まとめ買いする方の姿もちらほら。1ケースごとに作りたての豆大福が並んでおり、触るとほんのりとした温かさが残っています。
豆大福は1個160円。決してしつこくない甘さのあんこに、ちょっぴり塩味のする食べ応えのあるエンドウ豆がたっぷりと入っている、伝統の逸品です。大振りですが、思わず2個目が食べたくなってしまいます。
明治神宮駅から歩くこと1~2分、少し路地を入ったところにある「瑞穂」(みずほ)。表通りの喧騒が嘘のように、ひっそりとした通りに建つこちらのお店ですが、お客様はひっきりなしに訪れます。この日も予約分は全て完売し、販売できるのは店頭に出る分のみ、という人気ぶり。
多くの人で賑わう、表参道エリアとは思えない程静かな通り、「原宿穏田商店街」。
まるで料亭のような雰囲気すら醸し出す店構え。店内は狭いですが、お年を召したご夫婦らしきお二人が、お店を切り盛りしているのも、なんだか昔懐かしい感じがして落ち着きます。
他のお店に比べると、値段は少しお高い、1個210円。でも、食べて納得! 持っただけで分かる、ずっしりとした重み、お餅のもちもちとした弾力とその厚み。たっぷりと入った滑らかなこしあんは少し甘めな気がしますが、それがボリューム満点なお餅とマッチして、絶妙なハーモニーを奏でています。これはファンがいるのも納得です。ちなみに瑞穂最中(126円)も人気です。
白銀高輪駅から徒歩5~6分、赤地に白字の暖簾が目印の老舗和菓子店、「松島屋」。駅からちょっぴり距離があり、また少し坂を登らなければなりませんが、ここまで来てよかった!と思わせてくれる程美味しく、また歴史があるお店です。
豆大福は一個160円。3店舗の中では最も小振りですが、実は私はこのお店の豆大福が一番好きです。薄めの皮に荒めのこしあんがこれでもか!と詰め込まれ、素朴な味が「あぁ、やっぱり和菓子っていいなあ」と思わせてくれます。この界隈にお住まいだった若き日の昭和天皇もお気に入りで、よくお忍びで買いに来ていたという由緒あるお店です。
道順ですが、白金高輪駅から行く場合は、地下鉄の出口さえ間違わなければ、迷うことはありません。地下鉄を降りたら、まず2番出口を目指しましょう。白金高輪駅の2番出口を出たら・・・
「魚らんまっぷ」という立て看板を目印に、そのまま真っ直ぐ進んで下さい。
魚籃坂下(ぎょらんざかした)という信号を右手に曲がった後、「魚籃坂」という坂の左手に、これまた「魚籃寺」というお寺が見えてきたら、ここからはあと少しです。
伊皿子(いさらこ)という信号を右手に曲がると松島屋が見えてきます。
3店舗全てが山手線圏内に店舗を構えていますので、観光ついでの食べ歩きツアー、なんて旅も面白いかもしれませんね。
群林堂(ぐんりんどう)
住所:東京都文京区音羽2-1-2
最寄り駅:地下鉄有楽町線「護国寺駅」5番出口より徒歩1分
営業時間:9:30~17:00
電話:03-3941-8281
瑞穂(みずほ)
住所:東京都渋谷区神宮前6-8-7
最寄り駅:東京メトロ千代田線、副都心線「明治神宮前駅」4番出口より徒歩3分
営業時間:8:30~売り切れ次第
電話: 03-3400-5483
松島屋(まつしまや)
住所:東京都港区高輪1-5-25
アクセス:地下鉄「白金高輪駅」より徒歩10分、 地下鉄「泉岳寺駅」より徒歩5分
営業時間:8:30~18:30 (その日によって多少変動)
電話:03-3441-0539
定休日:日曜日、月曜日不定休