STAP細胞:詳細な作製手順を公表…理化学研究所
毎日新聞 2014年03月05日 14時15分(最終更新 03月05日 20時48分)
理化学研究所は5日、新たな万能細胞「STAP細胞(刺激惹起<じゃっき>性多能性獲得細胞)」の詳細な作製手順を英科学誌ネイチャーの姉妹誌「ネイチャー・プロトコル・エクスチェンジ(電子版)」に公表すると発表した。公表時間は同日午後3時。
STAP細胞は、理研など日米研究チームが1月末に作製に成功したとネイチャーで論文発表したが、インターネット上で国内外の研究者から「実験を再現できない」との報告が続いていた。
研究チームは論文で、生後間もないマウスのリンパ球を弱い酸性の溶液に30分浸し、iPS細胞などと同様の培養液で1週間培養することで、体内のあらゆる細胞に変われる能力を持つSTAP細胞ができたと報告。作製方法が非常に簡単なことも、注目を集める一因になった。
この論文に対しては、再現性の問題に加え、一部の画像などに不自然な点があるとの指摘が寄せられ、理研とネイチャーがそれぞれ調査を進めており、理研は「結果が出た時点で速やかに公表する」としている。理研は調査結果に先行して作製手順を公開することによって、結論に影響はないとの見方を改めて示そうとしたとみられる。【八田浩輔】