横浜市鶴見区のJFEエンジニアリング横浜本社が、昨年2月から自転車通勤を認めている。グループ全体で社員やアルバイト約4500人が勤務するが、この規模の大企業が制度化するのは珍しいという。車より環境に優しく、社員の健康増進にも役立つ一方、事故の心配や駐輪場確保など、難しさもあるようだ。

 2月26日の午前8時。横浜本社そばの駐輪場には、自転車に乗った社員が次々と到着していた。鋼構造本部の橋本光行企画部長(53)もその一人だ。横浜市中区の自宅から約12キロ。約45分かけて、会社に到着した。晴れた日を中心に週に2、3度、自転車で通う。「満員電車に乗らなくてすむし、有酸素運動で体重の維持にも役立つ。通勤が楽しくなった」と話す。

 同社人事企画室の堂本明希さんによると、それまでも自転車で通う社員はいたが、会社として黙認していた。周辺の路上には、違法駐輪が100メートルほど並んでいたという。2012年夏ごろから、この状態を解消しようと検討を開始。「もっとも気を使ったのは事故対策」と堂本さんは話す。