<赤旗記事> |
年金食いつぶしのAIJ問題/一部出資者に利益供与/証人喚問で大門氏
AIJ投資顧問による巨額の年金資産消失問題で、参院財政金融委員会は24日、浅川和彦社長とアイティーエム証券(ITM)の西村秀昭社長に対する証人喚問を行いました。日本共産党の大門実紀史議員の追
及で、一部の関係者・出資者に利益供与を図っていた実態が浮き彫りになりました。
AIJは、浅川氏が実質的に支配する二つの投資事業組合を通じてITMを支配し、資金集めと運用を行っていました。大門氏はこの二つの組合(ディバーシファイド・ストラテジー投資事業組合、シグマキャピタル投資事業組合)に各99%出資しているのが神戸松蔭女子学院大学(神戸市)であることを初めて明らかにし、ITMを「支配」する資金が結果的に同大から提供されていたのではないかと追及しました。
浅川氏は「(同大が)2002年の9月から投資している」と認めました。西村氏も「かなり長い付き合いがあると思っている」とのべました。
大門氏は入手した内部資料にもとづき、ITM株が当初比の1・7〜3・9倍の価格で両事業組合や浅川、西村両氏らから買い戻されていた事実を指摘。浅川氏は「事実なんだと思います」と認めました。
大門氏は、自社株買いで生じた利益を両事業組合を通じて同大に還元していたのではないかと追及。浅川氏は「そこだけ言われるとそうなんでしょう」とのべました。
大門氏は、同大学の学長・理事長を歴任した人物に対しても、2000万円で売ったITM株を3414万円で買い戻していたことを指摘。浅川氏は「当然知っている」と認め、「私が野村証券にいたときの顧客だ。年に1、2回会っている」と答えました。
大門氏は、「年金を食いつぶしておきながら、出資者や関係者だけに『利益供与』している。こんな構図は到底許されない」と強調しました。 |
≪議事録 対浅川和彦AIJ投資顧問社長≫
○大門実紀史君 まず伺います。
AIJ、あなたが実質的に運営してこられたシグマキャピタル並びにディバーシファイドの二つの投資事業組合の最大の出資者は誰でしょうか。
○証人(浅川和彦君) 今はファンドでございます。ファンド。ベンチャーインベストメントアルファ一号、二号でございます。
○大門実紀史君 じゃ、もうちょっと正確に伺いますが、平成二十三年、去年の六月現在ですけれども、シグマキャピタルの出資は、成田さん、よく名前がもう出てきておりますが、熊本の成田公認会計士が百万円、神戸松蔭女子学院大学が十五億円、ディバーシファイドの方は、成田さんが二百万円、神戸松蔭女子学院大学が五億円。九九%両投資事業組合とも神戸松蔭女子学院大学ということですが、間違いありませんか。
○証人(浅川和彦君) その当時で言うなら、去年ですね、その当時で言うならそれが正しいと思います。
ただ、あくまでも九月及び一月にもう解約ということになっていましたから、基本的には、最後持っているのはベンチャーインベストメントアルファ一号、二号だというふうに認識しております。
○大門実紀史君 つまり、この二つの投資事業組合がアイティーエム証券に対する出資の八〇%を占めてきたわけですね。その資金源は、もちろん去年の六月まで、これ神戸松蔭でございますから、その資金元は神戸松蔭女子学院の、先ほどいろいろごまかされておりますけれども、実際には、最大のスポンサーといいますか、そこの資金によってこのAIJがアイティーエムを実質支配するための資金というのは、事実上この神戸松蔭女子学院が提供したことになるんではありませんか。
○証人(浅川和彦君) シグマ投資、投資事業組合及びディバーシファイド投資事業組合につきましては、投資家というか出資者が結構変わっておりますから、その時点では、今言っている、委員おっしゃっている、先生がおっしゃっていることが正しいと思いますが、今現在どうだと言われた場合にはこれだと申し上げているだけでございます。
○大門実紀史君 偽証罪に問われますから、ごまかさないでくださいよ。
私が言っているのは、アイティーエムをAIJが事実上支配下に入れるときの資金を出した、当時の話です。当時は、そうころころ変わっておりませんよ。この神戸松蔭学院大学の出資されたお金がほとんどその資金を提供したんじゃないですかということ、正確に答えてください。
○証人(浅川和彦君) 松蔭さんは、このとき、初期の段階ですね、二〇〇二年、それから二〇〇三年、この段階で出していませんから、松蔭さん。だから、先ほど、出資者が変わっていったんです。今現在、去年の十一月の何日かというのは、確かに松蔭さんがその出資者になっていたということでございます。
○大門実紀史君 じゃ、いつからこの神戸松蔭はこんな巨額の金額を出したんですか。
○証人(浅川和彦君) これは、これは巨額な金というか、去年の段階はそれですけど、その前も、その都度いろいろ、二〇〇四年以降、このファンドに絡んでいるのは二〇〇四年以降だと思います、いわゆるAIMグローバルファンドに絡んでいるのは。ただ、投資事業組合に出したのは、これ今言っているように、私も今ちょっと手元に資料がないので細かいこと言えませんが、その都度出していると思います。ですから、上限で、二十億ぐらいが上限でその都度出しているということでございまして、当時の出資者は、アイティーエムに対する出資者というのはファンドで、ファンドじゃなくて投資事業組合でございます。それは、今言ったように、当初の県信連さん及びその他の投資家、一回アイティーエム証券調べていただければその当時のお客様が分かると思いますが、私の方はちょっと今記憶しておりませんから。(発言する者あり)えっ。そういうことでございます。
○大門実紀史君 どこから、いつからだと聞いているんですよ。
○証人(浅川和彦君) 二〇〇二年の、だから九月から投資していますから、そういうお金だと思いますよ。はい。
○大門実紀史君 いろんなこうファンドとか何か使ってね、あっちこっちこうやられておりますから、正確に事実上を答えてもらいたいんですけれどもね。
そういうふうにごまかされるんだったらば次の質問に行きますけれども、この神戸松蔭女子学院大学の元学長の友枝重俊さんというのは御存じですか。
○証人(浅川和彦君) 当然知っております。
○大門実紀史君 どういう御関係ですか。
○証人(浅川和彦君) 私が野村、証券会社の神戸支店にいたときのお客さんでございます。
○大門実紀史君 つまり、この方がこの神戸松蔭女子学院大学のいろいろ出資していただくときの、当時学長さんとか理事長さんやっておられましたから、窓口ということでよろしいですか。
○証人(浅川和彦君) 私が二十七、八のときですから、そのときからのお付き合いでございまして、窓口というか、当然、トップの方ですから、それとは、窓口はまた別にいます。
○大門実紀史君 私が申し上げたのは、神戸松蔭女子学院大学の出資との関係です。昔から、その若いころの知り合いという意味じゃありません。
つまり、あなたがこうやって独立されてからですね、先ほど神戸松蔭女子学院大学が出資するという経過の中で、そのときの窓口がこの友枝さんでしたかということを聞いているんです。
○証人(浅川和彦君) このAIMグローバルファンドでございますね、要するに出資ということは。このときはもう替わっていると思います、理事長さんがね。ちょっと私の方で正確にちょっと分かりませんが。はい。
○大門実紀史君 そのいろんなファンドのいろんなことが変わって、ころころ変わっているから、そこでごまかされているのか分かりませんが。
ちょっと次の質問に行きますけどね、平成十九年、二〇〇七年から昨年の二〇一一年の一月までの間にアイティーエム証券は、自己株式の取得、いわゆる買入れ消却を五回行っております。つまり、アイティーエム証券がアイティーエムの株を持っている人から株を買い取ったわけですね。その第二回のときにですね、浅川社長も、平成二十年二月ですかね、その買取りのときに二百株をアイティーエムに売却されて、当時二百万で、二百万で買ったやつを税引き後で三百四十一万四千四百七十二円でアイティーエムに買ってもらっていると思いますが、それは事実ですか。
○証人(浅川和彦君) これは事実なんだと思います、これは。はい。
○大門実紀史君 そのときに、今申し上げた神戸松蔭女子学院大学の友枝さんもですね、二千株アイティーエムに売却をしております。二千万円で買った株を、これも税引き後ですけど、三千四百十四万四千七百十四円で買ってもらっております。当然、浅川さんはアイティーエムの実質的な支配者と言われておりますけれども、このことを御存じだと思いますが、いかがですか。
○証人(浅川和彦君) これはストックオプションの行使でやったんじゃないかと思いますけど、それはもう当然知っていました。はい。
○大門実紀史君 これを、この出資の、あなたのファンドに神戸松蔭大学、神戸松蔭女子学院大学から出資してもらったことへのこの友枝さんに対するお礼じゃなかったんですか。
○証人(浅川和彦君) そんなことは一切ありません。
○大門実紀史君 まあ、あとは捜査当局にお任せする部分になりますけれども、とにかくこのアイティーエム株は、当初一万円だったものをですね、第一回、二回の買取りは一万七千三百六十四円、第三回が一万七千六百十八円、第四回は二万一千五百三十九円、第五回は三万九千六百二十一円、何と四倍に、近くに上がっているわけですね。
年金基金の資産を食い潰しておきながらですね、この関係者にはこの自社株買いで、あなたも含めて、後で西村さんにも聞きますが、関係者にはこうやって利益供与が行われたわけでございます。大変けしからぬ話だと私は思いますし、もう一つは、さらに第二回、第四回、第五回のこのアイティーエム株の買取りで、先ほど言いましたディバーシファイドの投資事業組合が二万四千六百八十九株を売却して、約八億円で売却しております。売却利益が約五億円。で、第四回の買取りのときは、シグマの投資事業組合が約三万株を売却して、六億四千万円で売却して、これ計算しますと約三億四千万円のもうけを得ております。
これらのもうけというのは、この両投資事業組合の主な出資者であります神戸松蔭女子学院に還元されたのではありませんか。
○証人(浅川和彦君) そういうんではないと思います。要するに、結局最後は、投資事業組合のベンチャーインベストメントアルファ一号、二号に、これは全部調べてもらったら分かると思いますけど、私も最後まで調べていますから、だから、だから、組合の財産としてアイティーエムの株が約三万弱ありますよという話をしたと思います。そういうことではないと。
もう一つ、私個人に何かもらったというより、むしろ二百株は買手がなかったんで私が引き受けて、時間がたって、大分たってから売ったんではないかなと、売ってくれということで。しかも、私がアイティーエムの株主であることがまずいということを言われて売ったんだと思います。
○大門実紀史君 委員長、聞いたことに答えるように言ってくれませんか。
私は、神戸松蔭女子学院にこの二つの投資事業組合が自社株買いで売却したやつの利益を還元されたんじゃないですかということを聞いているんです。あなたが実質運営されていた事業、投資事業組合だからお分かりでしょう。
○委員長(尾立源幸君) 浅川証人、的確にお答えください。
○証人(浅川和彦君) そのお金が還元されたとか、そういう認識ではいません。
○大門実紀史君 認識じゃないですよ。だって、投資した人に還元するのは当たり前じゃないんですか、利益が出たら。違いますか。
○証人(浅川和彦君) そこだけとらえるとそうなんでしょうけども、これ、ずっとこう、二〇〇三年、あるいはディバーシファイドができたのは二〇〇二、三年だと思いますけれども、ずっとこう全部調べていくと分かると思いますが、そこだけ還元されたというんではないと思っています。
○大門実紀史君 だって、五回のうち、今申し上げたのが、この二つの投資事業組合の主な自社株買いです、アイティーエム株の売却です。だから、そこしかないんですよ。流れを見てくださいと言ったってそこしかないんですよ。そのことを言っているんです。
だから、そこについては、今お認めになったように、松蔭女子学院大学に還元されたと、投資家に還元したというのは、いうことは、それはお認めになりますか。
○証人(浅川和彦君) 要は、投資事業組合間の貸し借りがあるからなんですよ。だから、私が言っているのは、その分が、利益を全部そこに行ったというんではないと申し上げているだけでございます。
○大門実紀史君 そもそもですね、この神戸松蔭女子学院は特別の扱いを受けていますね。この十四のファンドとは違うスキームで、信託銀行も海外の信託銀行でございますし、このスキームの中に入りません。で、しっかりした監査体制もしかれておりまして、絶対損をしない別枠の特別扱いになっているのがこの神戸松蔭女子学院大学でございます。
で、なぜここだけですね、ちょっと言いますと、例のHSBCも通しておりません。これは、RBC、ロイヤル・バンク・オブ・カナダですね、別のところ、全部、このほかのファンドとは別のスキームで、特別扱い、安全なところに置いたまま、こういう出資だけさせて、いろいろもうけさせているという関係が見えてくるわけですね。
なぜここだけこういう特別なスキームなんですか。
○証人(浅川和彦君) それはちょっと誤解でございまして、要はAIMグローバルファンドができる前、シグナ・インターナショナルのときにWIT、ダブルエムというファンドをつくっているんですよ。ですから、その特別扱いでやったわけじゃなくて、このWI、WT、今組合が持っていますけれども、この分がそもそものスタートなんですね。ですから、どっちが先かといったらそっちが先で、シグナ・インターナショナルのときにもうつくっていたファンドでやったということでございます。
○大門実紀史君 ですから、最初から、最初からあなたのスポンサーですから、そういう特別扱いにしていたということではないのかという意味で私はお聞きしているわけでございます。
特に、この神戸松蔭女子学院は、この個別のファンドに出資している場合ありますけれども、これ早くに解約しております。しかも、安全なうちに解約して、もちろん今残っているのも目減りしておりますけれども、結構早く解約しているんですね。こういうところから考えると、あなたとの特別の関係を私は感じざるを得ないんですけれども、その、話は戻りますが、この友枝元学長ですね、とは今でもお付き合いがあるんですか。
○証人(浅川和彦君) 年に一、二、一回か二回会うか、ほとんど一回か二回という感じですね。はい。
○大門実紀史君 中小企業で働く方々の年金がこれだけ莫大な金額が消失された裏で、こういう関係者だけがアイティーエム株をめぐって利益供与を受けてもうけていると、こんな構図は到底許されるものではございませんから、次の西村さんのときにも明らかにいたしますけれども、本当にこれは捜査当局にきちっと捜査をしてもらいたいということを申し上げて、終わります。
≪議事録 対西村秀昭ITM証券社長≫
○大門実紀史君 大門でございます。
先ほども浅川さんに質問したんですけれども、二〇〇七年から四年間ですね、アイティーエム証券は、自己株式の取得、いわゆる買入れ消却を五回にわたってやっておられます。当初一万円だったものが、五回目には三万九千六百二十一円になっております。
この価格は誰がお決めになったんでしょうか。
○証人(西村秀昭君) 最初の二回の価額は、純資産価額、純資産価額ですね。その後三回については、税理士と相談をしまして、純資産価額と類似会社方式の類似会社価額、これを足して二で割った、いわゆる相続等に使われる未公開企業の税法上の株価、これに基づいて最後の三回はやっております。
○大門実紀史君 実質的にはあれですかね、この細かいそういう技術的なことではなくて、五回にわたって上げていくというのは浅川さんの指示はあったんですか。
○証人(西村秀昭君) 御案内のとおり、かなり収益が上がっている会社ですんで、純資産、純資産の総額はかなり増えております。これに基づいて株、買取り価額というのは上がっていると。浅川社長からの指示で上げたわけではないですし、先ほど申しました税方式の価額というのは純資産方式よりも安い価額ですんで、これは正当な評価に基づいてやられたもの。加えて、たくさんの買入れ消却を行うことによって株数が減るわけですから、一株当たりの純資産は当然上がってきて、それに基づく買取り価額も上昇すると、まあこういうメカニズムにもなっております。
○大門実紀史君 西村さんは、最初の一万円ですけれども、一万円に決められたと、これ、浅川さんに、AIJに決められたというふうな表現をされたことがあると思うんですが、最初の一万円を決めたのは浅川さんじゃなかったんですか。
○証人(西村秀昭君) それは買入れ消却の話ではなくて、増資のときの一万円ですね。ええ、これは浅川社長に言われてできた価額であります。
○大門実紀史君 私は、この五回の買入れでなぜ最初浅川さんが一万円にしたのかということを大変疑うわけですね。後から、先ほど五万円ぐらいの価値があったといいますかね、いろいろありましたけれどね、幾ら何でも一万円はなかっただろうというお気持ちはあったんじゃないかと思うんですけれども、こうやって後で買入れ消却で上げていけば株を持っている人たちはもうかるわけですよね。こういうことを想定していたんではないかと。これ、何とも言いようがありませんが、後々のいろいろなことを思うとそう思うわけでございます。
先ほども聞いたんですが、もう直接の、アイティーエムですからお聞きいたしますけれども、二回目の買取り、平成二十年二月ですね、これ浅川社長も自分が持っている二百株をアイティーエムに売却したと、それは先ほどお認めになりましたし、神戸松蔭女子学院大学の元学長さんの友枝さんも二千株ですね、アイティーエムに売却されて、三千四百十四万円で売却されて、二千万で買ったやつですから一千四百万以上利益を得られたということでございますが、これちょっと確認の意味で、御存じですよね。
○証人(西村秀昭君) ええ、そのように認識しております。
○大門実紀史君 それで、実は西村さん、あなた自身も、平成十九年、二〇〇七年の第一回の買取りのときに、御自分が持っているアイティーエム株を二千株、友枝さんと同じ株数ですね、会社に買い取ってもらって、友枝さんと同じ二千株ですが、金額的には税引き後三千三百八十五万円で売却をされて、ここで二千万のやつですから一千四百万近く利益を得られていると思いますが、これ、いかがですか。
○証人(西村秀昭君) 私の株は五万円で買った株です。一万円で買ったものではありません。
○大門実紀史君 分かりました。
じゃ、元々の五万円の金額をここで損をされたわけですね。よろしいですか。
○証人(西村秀昭君) 借入れで私が自社株を買っておりまして、その借り入れた方から自社株消却をやるんであれば、損が出ても構わないから代物弁済して売ってくれという申出があってやったものです。したがって、貸した方も損をしたし、私も幾らか足してお返ししましたんで、かなり損をした商い、売買になっております。
○大門実紀史君 その西村さんが借金した相手というのは、キャピタル・ライオン・インベストメントでよろしいですか。
○証人(西村秀昭君) ええ、そのとおりです。
○大門実紀史君 これはあれですかね、何を理由の借金だったんですか。
○証人(西村秀昭君) 自社株買い、私の会社、アイティーエムの株を八千株だったかと思います、あっ、八千株じゃないな、総額で八千万円分の借金をして自社株買いをしたと。で、消却をして三千三百万円返した。まあ、代物弁済ですんで、株券を渡して先方が売却したという形になっております。
○大門実紀史君 西村さんが損をされたというのは今分かりました。
ただ、ほかの、浅川さんも含めてですね、この関係者、出資をしてきた友枝さんも含めて、こういう方々、まあ、この株主総会といったって、株主といったって、もう何か身内のメンバーばっかりですよね。こういう人たちが株価を上げることを決めて自分たちで利益を得ると。これは大変問題になると思いますし、西村さんも、損はしたといいながら、それで借金の返済に回したということであるならば、私はこれちょっと背任の疑いもあるんじゃないかと思いますが、その辺の自覚はいかがですか。
○証人(西村秀昭君) 背任の疑いは、なるとは認識しておりません。
○大門実紀史君 どういう意味ですか、ないとは認識していないというのは、あるということですか。
○証人(西村秀昭君) 背任行為に当たるとは思っておりません。
○大門実紀史君 もう一つ、あなたは、衆議院の証人喚問のときに、浅川氏を支援していた一番のメーンは神戸女子学院だというふうに証言されております。これは言い間違いで、神戸松蔭女子学院大学のことだと思いますが、なぜ浅川氏のメーンスポンサーといいますか、支援者がこの神戸松蔭女子学院大学だと思われたんですか。
○証人(西村秀昭君) まあ、当初、もう早い時期からかなり出てくる名前ですんで、しかもその浅川社長は神戸時代からの付き合いということですから、まあかなり長い、深い付き合いであるんじゃないかというふうに思っておりました。
○大門実紀史君 その期間だけではなくて、金額的にといいますか、その出資の規模とかそういうことでお感じになったわけではないんですか。
○証人(西村秀昭君) ええ、それもあります。
○大門実紀史君 そのとき西村さんは、神戸松蔭女子学院がアイティーエムの株主としても登場してくるというふうにおっしゃっておりますけど、アイティーエムの株主にこの神戸松蔭女子学院大学がなったのはいつからか。で、いつまでなっていたのか。今現在もなっているのか、株を持っているのかですね。ちょっとお聞かせください。
○証人(西村秀昭君) まあ二つの大きな投資事業組合が当社の大株主にあったわけですけれども、この出資者が誰かというのは教えてもらってはいませんでした。したがって、最初に松蔭、松蔭女子大学が株主であったというふうに聞いたのは去年の十一月、十月か十一月ぐらいに財務局からの問合せがあったときに浅川社長から教えてもらったということです。
で、現在の投資事業組合の持ち主はAIMグローバルファンドになったというふうに、この前浅川社長も証言していたとおりであります。
○大門実紀史君 分かりました。たしか、二つの投資事業組合の中身を今日初めて私もこういう場で申し上げましたけれど、九九%が神戸松蔭女子学院大学ですので、名前が出てきませんからね、気付かれなかったのかというふうには思います。
そうすると、あなたはあれですかね、この神戸松蔭女子学院大学の友枝重俊さんという方とは、御存じですか、お会いになったことはありますか。
○証人(西村秀昭君) ええ、お会いしたことあります。
○大門実紀史君 それはいつですか。
○証人(西村秀昭君) ええ、ちょっといつかははっきりと記憶しておりませんが、六年、七年前に神戸の出張、神戸に出張したときに一回食事を御一緒したというふうに思っております。
○大門実紀史君 そうすると、そのときはアイティーエムの出資者じゃなくて、AIJ、浅川さんの支援者としてお会いになったということでよろしいですか。
○証人(西村秀昭君) はい、そのとおりです。
○大門実紀史君 このアイティーエム株の買取りで、ディバーとシグマの二つの投資事業組合が、先ほど申し上げられたんですけど、合計でいいますと十四億四千万円でアイティーエムの株を売却して、十億円近い利益を得ているわけですね。
当然、これは常識的に言って、先ほど浅川さんという方はもやもやもやもや言っていましたけれど、常識的に言って出資者に利益は還元するのが当たり前ですから、この出資者の神戸松蔭女子学院大学に、当然、そのアイティーエム株を売ったその利益、十億円近い利益は還元されたと私は思うんですけれども、その辺は御認識ございますか。
○証人(西村秀昭君) そういう点については全く分かりません。
○大門実紀史君 はい、分かりました。
ちょっと別件ですけれども、先ほどから名前が出ております鳥居久元取締役でございますが、この方は、先ほどもお話ありましたけど、退職される際に西村さんに、浅川さんのファンドの基準価額がおかしいんじゃないかという疑問を呈されて、それを西村社長に言われて、で、西村社長はそれを浅川さんにお伝えになったんじゃないですか、そういう疑問を言われたよということを。いかがですか。
○証人(西村秀昭君) はい、伝えております。
○大門実紀史君 恐らく浅川さんはそんなことないとかごまかされたんだと思いますけど、それはどこかでお聞きしたことありますが。少なくとも西村さんとしては、その取締役がそういう疑義を呈するというのは、それは普通の風評でも何でもありませんから、そこでやっぱりきちっと認識されるべきだし、やっぱりここでおかしいということを全然思われなかったという方が不思議なんですが、いかがですか。
○証人(西村秀昭君) ええ、先ほどから申し上げていますとおり、二年目までは確かに私もしっかり見ておりましたんで、まあ良くないことだという認識はありました。
○大門実紀史君 この鳥居久さんなんですけれども、これ、お辞めになったのは二〇〇四年ですよね、二〇〇四年四月だと思うんですけれども、二〇〇八年の十二月になってAIJからこの鳥居久さんに対して業務委託費という名目で二百三十八万円支払われているんです。
この事実は御存じですか。
○証人(西村秀昭君) いえ、初めて聞きました。初めて聞きました。
○大門実紀史君 お辞めになってから四年ぐらいたっておりますけれども、この鳥居久さんという人がAIJあるいはアイティーエムにその後も顔を出したりされたことはあるんでしょうか。
○証人(西村秀昭君) 顔を出したことはないと思います。ただ、非常に優秀な人ですんで、英文の契約書とかですね、あるいはその過去の状況説明とかは、当社のその引継ぎを行った小菅取締役とのやり取りは何回かあったというふうにも聞いております。
○大門実紀史君 最後にお聞きいたしますけれども、金融庁は、アイティーエムの処分に関していえば、あなたは知らなかったことを通されておりますが、知っていたと、故意だということを認定して処分をしております。したがって、処分に従うということは、知っていたと、故意であったということを認めることになります。
もし違うと言うならば、不服審査請求という方法があるわけですね。処分に対して違うということをやられるべきだと思いますが、いかがですか。
○証人(西村秀昭君) ええ、その件につきましては弁護士と相談して今後の対応を考えたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 終わります。
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