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韓国長官 国連人権理事会で慰安婦問題訴え=日本批判

【ジュネーブ聯合ニュース】韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は5日、スイス・ジュネーブでの国連人権理事会のハイレベル会合で基調演説し、旧日本軍の慰安婦問題を国際社会に訴え、日本の変化を強く求めた。旧日本軍の関与と強制性を認めた河野洋平官房長官談話を見直す動きが日本にあることについて、「国連の人権メカニズムに対する正面からの挑戦」「反人道的・反倫理的処置」などの表現を使い、強く批判した。

 韓国外相が国連などの国際舞台で「日本軍慰安婦」と直接的な表現を使ったのは今回が初めて。これまでは「戦時における女性の人権問題」など、間接的な表現で日本の態度変化を促してきた。 

 尹長官は「21世紀の現在でも紛争下の性暴力問題が悪化しているのは、過去に起き、まだ解決されていない問題とも関連がある」として、「実証的な事例が日本植民地下の日本軍慰安婦問題」と指摘。「同問題は韓国、中国、東南アジア、オランダなどの被害国と日本の間の問題だけでなく、人類の普遍的人権問題で、いまなお続く現在の問題」と強調した。

 国連人権委員会のクマラスワミ報告書やマクドガル報告書などを挙げ、「このような国連の人権メカニズムは日本政府の責任を認定し、政府レベルの責任ある措置、正しい歴史教育などが必要だということを明らかにした」と指摘した。

 尹長官は、「最近になって日本の政治家の一部が約20年前に日本政府が慰安婦問題について日本軍の関与と強制性を認め、謝罪と反省の意を表明した政府談話(河野談話)まで再び検証しようと動き出している」とした上で、「さらに2日前には日本政府内で後世の教育を担当する高官が慰安婦問題は捏造(ねつぞう)されたものと発言した」と批判した。

 また、「これは生涯を当時のおぞましい記憶の中で精神的、肉体的苦痛に耐えてきた全世界の日本軍慰安婦被害者の名誉と尊厳を再び踏みにじるもので、歴史的真実から目を背けた反人道的、反倫理的処置」と指摘。「これまで20年余り、国連メカニズムが日本政府に対して数回にわたり要請したことに対し正面から挑戦するもの」と断じた。

 さらに、「このような状況で日本政府が『21世紀の今日も女性に対する性暴行が絶えない現実に憤慨する』と言いながら、『女性が輝く世の中を作るために努力する』と主張するのは二重の態度」と指摘した。

 尹長官がこの日の演説の半分近くを使って慰安婦問題に言及し、日本の態度を強く批判したのは、日本の最近の動きが限界を越えたとの判断があったものとみられる。韓国外相が人権理事会に出席するのは約7年ぶり。尹長官のハイレベル会合出席は検討の結果、一度見送られたが、最終的に出席が決まった。

 尹長官はまた、最近発表された国連北朝鮮人権調査委員会(COI)の報告書と関連し、「韓国はCOIが北側に人権状況改善を促した点に注目し、北で人権改善のための実質的な措置を取ることを期待する」と評価。「国際社会は人権理事会を中心に北の人権状況改善のために取れる効果的な後続措置に関し、議論を速やかに始めなければならない」と指摘した。