柏で連続通り魔、４人襲撃２人死傷　犯人はまだ逃走中

連続通り魔事件で、血痕が残る現場を調べる捜査員（共同通信社ヘリから）

千葉県警が公開した逃げた男の似顔絵

　３日午後１１時３５分ごろ、千葉県柏市あけぼの５丁目の市道で、男が１０分間に計４人を次々に襲い、逃走する連続通り魔事件が起きた。現場近くに住む会社員・池間博也さん（３１）がナイフのような刃物で刺されて死亡。別の男性３人が刃物で切られてけがをしたり、財布や車を奪われたりする被害が発生した。県警は柏署に捜査本部を設置し、４日にかけて、殺人や強盗容疑などで逃げた男の行方を追っている。

　「ぎゃー」。人通りの少ない深夜の住宅街。現場付近に住む主婦は、男性の叫び声と車の急発進音を聞いたという。凶器を手にした通り魔の男に４人が次々と被害にあった。凶行はわずか１０分間。市道約５０メートルの範囲内だった。県警によると、男は２０～４０代で、身長約１７０センチ、黒いダウンジャケットに帽子、サングラスとマスクを着用していた。

　最初に襲われたのは自転車の男性（２５）。男に呼び止められ、ナイフのようなものを突き付けられた。男性は「何ですか、お金ですか」と払いのけた際に左手を切られ、軽傷を負った。

　次に襲われたのは死亡した池間さん。首や背中を何度も刺された。近隣住民によると現場道路の脇に幅１～２メートルの血だまりがあり、対向車線脇まで血がしたたり落ちていたという。路上にカード類が散乱。池間さんの財布は見つかっていない。

　さらに、男は近くに停車中だった男性（４４）を「金を出せ。もう人を殺している」と脅し、財布を奪った。住民によると、この車のフロントガラスにも、犯人がつけたとみられる返り血がべっとりついていた。

　直後、通りかかった別の車の男性（４７）が、倒れていた池間さんを確認しようと降車。その隙に男に車を奪われた。車は約１・５キロ北東の柏市内のコンビニ駐車場でエンジンがかかった状態で見つかった。コンビニの防犯カメラには、４日午前０時ごろ、数分間とどまった後、車外に出て徒歩で逃げる男の姿が映っていた。車内からは血痕も検出された。一連の現場から凶器は未発見で、刃物を持って逃走している可能性もある。

　事件直前の午後１１時３４分には、現場周辺で男が女性に「すいません、ちょっと」と声をかけ付きまとったとして１１０番があったことも判明。女性は走って逃げた。また、現場から約２キロ離れた柏市東台本町では２月２８日夜、帰宅途中の女性が、いきなり後頭部を棒のようなもので殴られるなどして重傷を負う事件が発生。県警は関連を調べている。

　現場はＪＲ柏駅の北西約１キロ。近くの小学校では、４日は集団登下校。下校時には保護者や町内会のパトロール員らが付き添った。また、町内会では、注意のビラを、各家のポストに投函（かん）し、町内放送でも呼びかけるなど、恐怖と不安感が漂っていた。

（2014年3月5日06時04分スポーツ報知）