「韓国人の心の金メダル!」「私の人生の鍵のような存在」
4日、ソウル市永登浦区のタイムスクエアで、液化石油ガス(LPG)専門企業「E1」主催による「キム・ヨナ選手帰国歓迎会」が行われた。ファンの愛があふれる応援メッセージが大型スクリーンに映し出されると「フィギュアの女王」キム・ヨナ(23)の目が少し赤くなった。この映像には「キム・ヨナは私を泣かせた唯一の女性」「男に注意!オレ以外はみんなオオカミ」などのユーモラスな応援メッセージもあった。3分間の映像が終わるころ、キム・ヨナの目が潤んでいた。そして「コメントの一つ一つが感動的」「本当にありがとうございます」と応えた。
この催しには抽選で招待されたファン170人が参加した。しかし、10倍近い競争率で抽選に漏れたファン数百人が会場の周りを取り囲み、熱気を放っていた。これはソチ冬季五輪終了後、キム・ヨナがファンと正式な場で会った最初の催しで、フィギュア韓国代表の後輩選手金海珍(キム・ヘジン)(16)=果川高校=と朴韶妍(パク・ソヨン)(16)=新木高校=も一緒だった。
司会を務めたフリーアナウンサーのチョン・ヒョンムはQ&Aコーナーでファンに代わってキム・ヨナに質問した。「フィギュアに未練はない?」という質問にキム・ヨナは「今はやるだけやったと思っているので未練はない」と答えた。
また、「もうスケートのエッジ(刃)を見るのもうんざりなのでは?」という質問には「スケートなんて随分前から見るのも嫌になっている」と冗談を言って笑った。
キム・ヨナはソチ冬季五輪を最後に、17年7カ月にわたったフィギュア人生を終えた。トップの座を守ろうとハードな練習を続けて体のあちこちを痛めたというニュースに、ファンは心配した。しかし、キム・ヨナは「私の脊椎(せきつい)が左に約10度傾いているという話があったが、その程度なら深刻ではないので日常生活に影響ない」と語った。
アデリナ・ソトニコワ(17)=ロシア=に金メダルを与えた「地元びいき判定」説にはクールに応対した。キム・ヨナは「あ然とはしたが、終わったということで空にも昇る気持ちだった。結果を振り返って考えたことはない」と言った。だが、金海珍は「ソトニコワの点が高かったので、ヨナ先輩にはどれくらいの点が出るのかと思っていたが、あまりにも少なかったから頭に来た」、朴韶妍は「今でも本当に癪(しゃく)に障る」と言った。
キム・ヨナは最も思い出に残っている試合を問われると、バンクーバー冬季五輪、ソチ冬季五輪、2013年の世界選手権を挙げた。その理由は「3大会ともクリーン(ノーミス)演技ができたから」と説明した。
今後については、「スケートをしている時は毎日緊張の連続でストレスだったが、今は心穏やかに楽しめるので、それだけで幸せ」としばらく休養したい意向を口にした。だが、5月初めにはアイスショーが企画されているという。自身の10年後の姿がどうなっていると思うか、という質問には即答を避けたが「ソチ五輪出場で国際オリンピック委員会(IOC)選手委員の資格が持てた」とIOC選手委員に挑む意向を示した。
プレゼント贈呈式ではファンにサイン入りの公演DVDなどを手渡した。そして「今まで私のことをずっと応援して下さった皆さんにお礼を言いたい。皆さんのおかげでここまで来られたのだと思う」とあいさつした。ファンが「ヨナ! 大好き」と3回叫ぶと、キム・ヨナは頭の上に手でハートの形を作って応え、歓迎会は幕を閉じた。