先日とある異業種交流会に出席してきました。
僕の三井物産時代の同期も何人か来ていて、「お前よく会社辞めたよなー」と言われました。僕からすると、三井物産に勤め続ける方がリスクだと思うのですが、その理由を書いていきたいと思います。
1.収入が良すぎる
三井物産の平均年収は、42歳で1,246万円とのことです。中で働いていた人間としてはもう少し高いかなと思いますが、いずれにしても日本のサラリーマンとしてはトップクラスです。
ところが、収入が良すぎることが逆に弊害になったりします。当時40歳くらいだった私の上司は、何回か転職や独立を考えたことがあったそうです。しかしその度に、三井物産時代の収入を上回ることが出来るのか不安に思い、決断できなかったそうです。
「やりたいことができない」というのは、人生における大きな損失です。一般的に、収入が良いことは人生を有利にしてくれますが、我々の決断を鈍らせる要素にもなります。私もあと5年勤め続けていたら、もっと辞めづらかったと思います。
2.自分で稼ぐ能力が身につかない
三井物産は大企業だからなのか、「まずやってみる」という文化を持っていません。新しいビジネスを始めるときには、まず社内の数多くの部署からのチェックを受けます。結果として始められるビジネスは少なくなり、しかも初年度から利益を上げないといけないので、最終的にほとんどのビジネスが撤退していきます。
ところが、新しいビジネスを創るためには、「まずやってみる」という姿勢がとても大事です。最初から成功が確約されているビジネスなんて有り得ません。特にコンシューマー向けのビジネスなら尚更です。
「稼ぐ能力」は、これからの時代に必要とされるスキルです。これを得るためには、総合商社は適した環境ではないと思います。
3.海外駐在が「骨休め」になってしまう
商社マンといえば海外駐在です。海外勤務の場合は、住居は保証される上に給料も上がるし、管理職として赴任するため、生活にも仕事にも何の不安もありません。しかも、海外支店にはハードワークの文化が無いため、日本にいるときほど仕事をしません。商社マンにとって、海外駐在とは「骨休め」の期間だと言われています。
しかし、30代40代のバリバリ仕事をできる年齢の人間が「骨休め」なんてするべきではありません。世の中は解決するべき課題で溢れていて、面白い仕事ができるチャンスです。そんな時に「骨休め」していると、世の中からはあっという間に取り残されてしまいます。
まとめ
過去の記事でも書いていますが、総合商社はとても良い会社です。世のサラリーマンが欲しがるものが全て手に入るのではないでしょうか。しかし、これから自分で人生を切り開いていこうとする人には、あまりオススメできる環境ではありません。
私はタイミングよく三井物産を退職することが出来ましたが、もしやりたいことがあるのなら、総合商社でくすぶっている人たちもぜひ外に出てみて欲しいと思います。
総合商社を目指す就活生の方々は、ぜひ自分の歩みたいキャリアを考えた上で、志望して頂きたいと思います。