福島原発:事故の爪痕 いまも…がれき散乱、手つかず
毎日新聞 2014年03月04日 21時38分(最終更新 03月05日 00時14分)
プールがある5階から仮設階段で地上へ降りる。その途中で見た3〜4階付近は、3年前の水素爆発で吹き飛んだコンクリートなどのがれきが散乱し、あめのようにねじ曲がった配管がそのまま残っていた。「早めに通り過ぎてください」。背後から職員の声がする。隣接する3号機原子炉建屋からの放射線量も高い。
護岸付近では、海へ汚染水が漏れるのを防ぐための遮水壁を建設中だ。小坂さんの同僚が運転する車で向かったが、3号機付近では放射線量が高く、アクセルを踏んで通り過ぎる。「第1原発では、今も現場に行ってみないと線量が高いのかが分からない。できるだけ余計な被ばくは避けたい」(小坂さん)
◇汚染水ためるタンクの組み立て作業も視察
高濃度汚染水をためる溶接型タンクの組み立て作業も視察した。福島第1原発では先月、ボルトで締め付けるフランジ型のタンクから100トンが漏れる事故があったばかり。漏れにくい溶接型を2日に1基のペースで増設しているが、まだ運用は始まっていない。
小坂さんは「東電が管理の基本を守っていれば防げた事故。やるべきことがやられていなかったのが問題だった。本来あるべき原子力管理の姿を取り戻すのが私たちの課題だ」と語った。約5時間の取材を終えて持参の線量計を見ると累積51マイクロシーベルトだった。換算すると帰還困難区域の約2倍にあたる。【中西拓司】