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» 2014年03月05日 09時07分 UPDATE

「既読」のわな グループ“全消し”の嫌がらせ……LINEの便利さと怖さ、高校生が報告 (1/3)

LINEの使い勝手の良さに定評があるが、いじめや嫌がらせの手段に用いられることも。大阪の高校でLINEに関する調査発表が行われ、厳しい実態も報告された。

[産経新聞]
産経新聞

 無料で通話やメッセージの送受信ができることなどから、中高生や若者世代を中心に利用者が広がっているスマートフォン(高機能携帯電話)など向けの無料通信アプリ「LINE(ライン)」。利用者数は全世界で3億人を突破したという。ラインならではの機能や使い勝手の良さに定評があるが、一方でいじめや嫌がらせの手段に用いられることもあり、その使い方に注意すべきだとの声は高まっている。大阪府立旭高校(大阪市旭区)で先日、1年生の社会科の授業でラインに関する調査発表が行われ、厳しい実態も報告された。(北村博子)

「既読」のわな

画像 会話形式でメッセージが表示されるラインの画面

 「ライン」の特徴のひとつが、メールを送信した相手がメッセージを開くと送信者側に「既読」の文字が自動的に表示されるシステム。「メッセージが相手に伝わったことを確認できるから便利だ」との利点がある一方、「返事がないと孤独や不安を感じたり、逆に返事をせかされているようで精神的なプレッシャーを感じたりする」との声も多く、授業で生徒らもこうした内容を指摘した。

 ラインの人気の高まりを受けてインターネット上で行われたあるアンケート結果では、「既読があることで相手に返信しなければいけないと思うか」という問いに対し「思う」が80%、「思わない」が20%。「高校生なら『思う』は90%以上ではないか」と授業で生徒の一人が指摘し、賛同の声もあがるなど、ラインへの“依存度”の高さをうかがわせた。

 ラインの「既読」システムは、大災害時に安否確認を送信相手が読んだかどうかがわかるようにするために作られたとされる。しかし、現実には対人関係で相手の思いやりなどの確認に使用されるケースが多いようだ。相手がメッセージを読んでいるのが確認できたのに返事が来ない状態を指す「既読無視」「既読スルー」などの言葉がユーザー間で定着。「『既読』をきっかけに友人関係悪化につながることもある」との指摘もあった。

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