(4日、カーリング日本選手権)

 北海道銀行のスキップ小笠原は「恥ずかしい試合」と表情を硬くした。五輪代表が小学生2人を抱えるTeam KARUIZAWAに終盤まで苦しめられた。

 狙い通りにストーンを寄せる大人顔負けの攻めに手を焼いた。第6エンドを終えて2―4の劣勢に、小笠原は「しっかり点を取らないといけない」と自戒。第7エンド、ショットの精度が落ちた相手を攻め立て4得点。初めてリードを奪って逃げ切り、面目を保った。

 ママさん選手として知られる小笠原。ジュニア世代が育っていることを歓迎しながらも「小学生が選手権に出られたということは、日本のレベルが低いということ。私たちを含め、しっかりしないといけない」。

 ■小学・高校生チーム、金星逃す

 小学生2人を含むTeam KARUIZAWAが大健闘。ソチ五輪代表の北海道銀行を一時はリードした。12歳の鈴木は「もうすぐ勝てるんじゃないかな」と声を弾ませた。

 小学生、高校生2人ずつで組み、平均年齢は14歳。強豪の城西大を破って本戦出場を決めたのは偶然ではなかった。第2エンドで2点先制。すぐに同点にされても慌てず、身長143センチの11歳荻原が懸命のスイープでストーンを誘導した。経験豊富な相手に対して、石を集めてプレッシャーをかけるなど技術は堂に入っていた。

 逆転されて金星は逃したが、試合運びは会心に近い。スキップの高校2年生、北沢は「反省点を生かし、あしたにつながる試合ができた」と自信をつけていた。

 ■中部電力、付け入る隙なし

 3連勝とした中部電力は、相手に付け入る隙を与えなかった。不利な先攻だった第1エンドに5点を挙げて波に乗り、合計18得点でチーム広島を圧倒。リードを務めた佐藤は「相手のミスにも助けられたが、ショットが決まったことが勝因」と胸を張った。

 補欠選手に当たるフィフス(5番目)の佐藤は2012年6月に負った左ひざの大けがを乗り越え、今大会で本格的に復帰した。「何も考えられない時期もあったが、自分自身を見詰め直すいい機会になった。日本一になって再スタートを切りたい」。レギュラー奪取も目指して奮闘を誓った。