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日本の大雪など「30年に1度の異常気象」
3月4日 21時45分

日本の大雪など「30年に1度の異常気象」
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この冬、日本やアメリカなどでは記録的な大雪や強い寒波に見舞われました。
これについて気候の専門家で作る気象庁の検討会は、日本の太平洋側で降った先月の大雪とアメリカの寒波について、30年に1度程度しか起こらないとする異常気象といえるという見解を示しました。

気象庁によりますと、この冬は太平洋側で雪の量が多く、東日本で平年の3倍近く、西日本で平年の1.5倍に達しました。
特に先月、積雪が甲府市で1メートル14センチに達するなど、関東甲信や東北の太平洋側でも、統計を取り始めてから最も多くなったところがありました。
世界的にも極端な気象現象が相次ぎ、このうちアメリカでは、去年12月からことし1月にかけて、氷点下30度を下回る強い寒波に見舞われました。
また、イギリスでは雨が降り続き、先月までの3か月間の降水量が518ミリと、104年間の統計で最も多くなりました。
気候の専門家で作る気象庁の検討会は4日開いた定例の会合で、この冬、極端な気象現象につながるとされる偏西風の蛇行が発生し、日本付近とアメリカ、それにヨーロッパ西部で、それぞれ平年より南に蛇行した状態が長く続いたと分析しました。
このため日本とアメリカでは北から繰り返し強い寒気が流れ込んだほか、イギリスでは発達した低気圧が頻繁に通過し、雪や雨の量が多くなったとみています。
また、先月、日本の太平洋側で大雪になったことについて、寒気に加え、低気圧の移動を阻む「ブロッキング高気圧」が日本の東にできた影響で、低気圧が南岸を通過しやすくなったという分析結果をまとめました。
検討会の会長を務める東京大学の木本昌秀教授は、日本の太平洋側で降った先月の大雪とアメリカの寒波、それにイギリスの大雨について、30年に1度程度しか起こらないとする異常気象といえるという見解を示しました。
そのうえで「地球温暖化が進めば大気中の水蒸気量が増え、長期的に見れば一度に降る雪の量が増える可能性はある」と指摘しています。

東日本は3年連続で「寒冬」

この冬は東日本では3年連続で平年より寒い「寒冬」になり、関東甲信などで記録的な積雪となるなど太平洋側で雪が多くなった一方、日本海側では雪は平年より少なくなりました。
気象庁によりますと、この冬は大陸からの強い寒気がたびたび南下して厳しい寒さとなり、12月から先月までの冬を通しての気温は、平年と比べて▽東日本で0.2度低くなったほか、▽西日本でも0.1度、▽沖縄・奄美でも0.3度低くなりました。
東日本では3年連続して「寒冬」となりました。
一方、北日本では1月と2月は気温が平年より低くなりましたが、12月に暖かい日が続いたため、冬を通しての気温は平年より0.2度高くなりました。
寒気の影響に加えて、先月、日本の南岸を低気圧が繰り返し通過したことから、太平洋側で雪が多くなり、冬を通しての降雪量は関東甲信で平年の3.4倍、近畿で2.3倍、東北で1.1倍となりました。
各地の積雪は、▽甲府市で1メートル14センチ、▽埼玉県秩父市で98センチ、▽前橋市で73センチに達するなど、関東甲信や北日本の太平洋側の19の観測点で、統計を取り始めてから最も多い積雪を記録しました。
日本海側では、東北や山陰の山沿いで局地的に雪が多くなりましたが、全体として平年より少なくなりました。
降雪量は、北日本では平年の80%、東日本と西日本で平年の30%にとどまりました。

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