安倍晋三首相は3日の参院予算委員会で、過去の植民地支配と侵略を謝罪した1995年の村山富市首相(当時)の談話に関し「歴代内閣の立場を引き継いでいる」と踏襲する意向を示した。談話を引用して「わが国はかつて多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」と語った。
ただ、民主党の那谷屋正義氏が談話の「植民地支配と侵略」を明記した部分の継承も明言するよう求めると、首相は「侵略や植民地支配を否定したことは一回もない」と述べるにとどめた。
村山談話は戦後50周年にあたって発表し、政府の公式見解として初めて過去の戦争を「侵略」と表現した。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、従軍慰安婦をめぐり旧日本軍の関与を認めた河野談話とともに安倍政権に継承を求めている。
首相は予算委で政府の教育再生実行会議で議論している学制改革について「6・3・3制を見直そうという大改革に挑戦している」と強調。道徳教育の教科化や教育委員会制度改革を挙げ「わが国の最重要課題である教育再生に取り組みたい」と意欲を示した。自民党の山本順三氏への答弁。
2014年度予算案は3日に参院予算委で実質審議に入った。憲法が定める規定により、年度内成立が確定している。
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