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【政治】

公務員給与 削減拒否は補助金減額

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 政府は二日、二〇一三年度中の実施を求めていた公務員給与削減に応じなかった市町村に対し、今年五月に配分予定の公共事業関連の補助金を減らす方針を固めた。国の意向に従わない自治体に対する事実上の制裁措置で、首長らから「地方分権に逆行する」との反発が出るのは必至だ。

 これまで政府は、要請に応じなくても制裁はしないと表明していた。今回の対応は「給与を削減した行革に熱心な市町村への配分を手厚くした。制裁には当たらない」と説明する方針という。

 政府は東日本大震災の復興財源に充てるため、一二、一三両年度の国家公務員給与を平均7・8%削減。地方公務員も一三年度は同水準まで引き下げるよう求めたが、昨年十月時点の総務省の調査では、市町村の約三割が「民間の賃下げにつながりかねない」などを理由に応じていなかった。

 対象の補助金は、一三年度補正予算の「がんばる地域交付金」で、総額八百七十億円。地域経済の活性化に必要な公共事業を実施する市町村に配分する。原案では、給与をカットした財政力の低い市町村には、公共事業費の最大四割を支援する。一方、削減に応じなかった自治体には、原則三割の補助にとどめる。

 原案通りだと、配分額の格差は数千万円の見通し。市町村財政や住民サービスに深刻な影響を与えるほどではなく、「見せしめ」の色彩が強い。

 政府は昨年末、給与削減に応じた自治体は、一四年度の地方交付税を増やすことを決めた。ただ交付税は、これ以外のさまざまな要素も考慮するため、削減していない自治体でも配分額が増える可能性がある。このため今年一月ごろから、補助金減額の検討が始まった。

 <地方公務員給与> 自治体職員の給与は地元の民間企業とのバランスを考慮し、条例で水準を決めている。政府は昨年1月、国家公務員と同様に地方公務員の給与水準も引き下げるよう全国の自治体に要請。強制力はないが、給与原資となる地方交付税の配分額も減らしたため、大半は応じた。拒否した自治体は、財政調整基金(貯金)の取り崩しや経費削減などで、給与水準を維持した。

 

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