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3rdフルアルバム『period』をリリースするandrop。
確固たる世界観と先鋭的な演出で評価を高めてきた4人組ロックバンドandropが、3rdフルアルバムとなる新作『period』をリリースした。活動開始から5年、バンドは着実にセールスと動員を増し、3月23日には国立代々木競技場・第一体育館にて初のアリーナ単独公演も決定した。
テクノロジーを駆使した映像表現を見せるミュージックビデオ、音響と照明と映像が一体になって繰り広げられるライブパフォーマンスも話題となっている彼ら。その根源には、バンドを率いる内澤崇仁(Vo/G)の持つコンセプチュアルな意識があった。現ロックシーンを代表するアリーナバンドへと成長を遂げた今、彼はその成功の理由とバンドの先行きをどう見ているのか?
『period』っていうタイトルは5年間から決めていた
―まず、今回のアルバムタイトルに『period』という言葉を選んだのは?
内澤崇仁(以下、内澤):実はこの言葉にしようっていうのは5年くらい前、活動を始めた頃からずっと決めていたことで。これまであんまり公の場では言ったことがなかったことなんですが、これまでにリリースしたミニアルバムとアルバムの頭文字を並べると「androp」になるようにしていたんです。
―過去にリリースされたのは『anew』『note』『door』『relight』『one and zero』で、それぞれ頭文字は「a」「n」「d」「r」「o」でした。頭文字だけはずっと決まっていたっていうことですよね ?
内澤:そうです。1枚目を『anew』ってタイトルにした時点で、『door』くらいまではタイトルの言葉もあって。で、その時に最後の『period』っていうのも決めていたんです。自分がandropっていうバンドを続けていたら、「p」の頭文字から始まるアルバムを作れるようになる頃には、相当すごいバンドになっているだろうと。自分も納得した音を胸を張って鳴らせているバンドになっていなきゃダメだと思ったんですね。だからこそ、そういうアルバムにしようという思いで今回のアルバムの制作には臨みました。
——5年越しの計画がようやく実ったわけだ。
内澤:はい、そうですね。
——でも、『period』というのは「終止符」という意味ですよね。だから、この話を聞いたらバンドが終わる、解散するという風に捉える人もいるかもしれないわけで。そういう選択肢はありました?
内澤:いや、それは考えてなかったですね。「androp」っていう単語をバンド名として決めた時に、それ自体は何も意味を持っていない造語だったので、一文字づつ頭文字をなぞっていったアルバムを作ることで「androp」という言葉に意味を持たせられる。「p」でやっとそれに終止符が打てるという意味合いで付けたので。むしろ、ようやくここで完成したという感じなんです。
曲を聴いてもらって判断してほしいと思っていた
——andropは初期から非常にコンセプチュアルな表現をするバンドでしたよね。アルバムのアートワークにしても、ミュージックビデオにしても、ライブにしても、一つ一つのデザインにすごくこだわって作られていた。そういうところはどれくらい意識していたんでしょうか。
内澤:かなり意識はしていました。ミュージックビデオにしても、パッケージにしても、僕自身そういう風に音楽と触れ合うのが好きで。パッケージ自体に仕掛けが施されているとかっていうのがすごく好きだったし、ライブも映像を使ってライブをやる人はすごいと思ったし。そういう良さを全部バンドでやりたいと思って突き詰めていった感じです。ただ、全部は本当に曲ありきなので。曲を伝えるための演奏だったりパッケージングだったりはしていて。
——デビュー当時はプロフィールも一切明かさない匿名的な活動形態でしたよね。僕が初めてandropのライブを観たのは2011年のSHIBUYA-AXだったんですが、その時点で内澤さん以外のメンバーの名前すら明らかになってなかった。
andropのフロントマンを務める内澤崇仁。
内澤:そうそう。あの時のライブで、初めてみんな名前を言いましたからね。アンコールの時にお客さんから訊かれて。
——そうそう、それで1500人くらいがどよめいたのを覚えてる。しかもその時点では苗字しか言わなかったから、その後しばらくはWikipediaにもメンバーの苗字しか載っていなかった。
内澤:その頃は確かにそうでした。不思議な感じですよね(笑)。
——改めて振り返って欲しいんですが、あそこまで素性を隠したというのはどういうことだったんでしょうか。
内澤:最初は曲を聴いてもらって判断してほしいと思っていた。本当にそれだけですね。調べれば情報が出てきてしまうと思ったので、一切情報を出さない方が曲をちゃんと聴いてもらえると思った。ただそれだけの理由なんですけど。
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