北朝鮮は3日、ジュネーブで始まった国連人権理事会で、自国の人権状況が「人道に対する罪」にあたると指摘した国連の調査委員会による報告書に反発し、日本を非難した。昨年末の安倍晋三首相の靖国参拝を持ち出して、「過去の罪を罪と思わない。これが真の日本だ」と主張。日本も反論し、応酬となった。

 人権理事会では欧州連合(EU)や日本の石原宏高・外務政務官が、北朝鮮の人権侵害への対応を訴える演説をした。北朝鮮代表は各国の演説後に発言を求め、報告書を「日本やEUの政治的産物」だとして拒絶すると表明。「日本は過去の行為を謝っていない」との主張を展開した。

 日本は「戦後、真摯(しんし)に過去と向き合い平和国家の道を歩んだ」と反論したが、北朝鮮が再び「日本は過去の過ちを正当化している。A級戦犯をまつる靖国神社への現首相の参拝は、日本の過去の過ちへの態度そのもの」と述べた。