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【格闘技】

小関桃が具志堅の記録に並ぶV13

2014年3月4日 紙面から

◇女子ボクシング3大世界戦

13回目の防衛に成功したWBCアトム級王者の小関桃(斉藤直己撮影)

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 日本女子ボクシング界のひな祭りだ−。WBC世界女子アトム級王者小関桃(こせき・もも、31)=青木=が同級10位アンゴー・ワンソンチャイジム(17)=タイ=に9回1分43秒、レフェリーストップのTKO勝ちで13度目の防衛に成功。具志堅用高が持つ国内連続防衛記録に並んだ。IBF世界女子ライトフライ級王者柴田直子(32)=ワールドスポーツ=は初防衛、WBA世界女子ライトミニマム級王者宮尾綾香(30)=大橋=は5回KO勝ちで4度目の防衛に成功した。なでしこたちが、世界を相手に実力を見せつけた。

 これぞ小関節だ。勝利者インタビューが聞き取れない。いつものようにモゴモゴとしゃべる小関に、親しみを込めたヤジが客席から飛んだ。「桃ちゃん、ちゃんと、しゃべってえ」「聞こえねえぞー」

 風ぼうもそっくりの17歳の挑戦者には、えたいの知れない怖さがあった。プロ戦績は5戦全勝3KOながら、ムエタイの戦績が70戦67勝3敗。小関も試合前は警戒していた。だが、フタを開ければ実力の差は歴然。終始攻めた小関が連打を浴びせたところでレフェリーが間に入った。

 13回連続防衛。伝説の具志堅用高に並んだ。リング上でモジモジしていた小関は、具志堅の話になると、突然しっかりした口調で語り出した。

 「どうしても言いたかったことがあります! 男子と女子ではレベルも違うし、記録の価値が違う。比べるのは意味がないと思う。でも、100%のコンディション作って、13回勝ってきたことということは、誰と比較して価値あるないじゃなく、自分自身誇りに思います」

 引っ込み思案の小関が、リング上でプライドを爆発させた。

 「防衛するたびに、これで最後にしようと思うけれど、勝つたびにみんなに喜ばれたり勝手に次の試合が決まってたり。いい年だし、現役でいられるうちに、女子だからと言われることなく、認められるボクサーになりたい」。女子の世界防衛記録は14。これからも、ひたすら謙虚に防衛を積み重ねていく。 (竹下陽二)

 

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