ウクライナ南部クリミア半島では、ロシア軍による一帯の掌握が着々と進む。多数を占めるロシア系住民は自警団などを結成して、積極的にこれを支える。歴史や文化など、ウクライナが抱えてきた国内の断裂が、ロシアの介入を受けて一層深刻になっている。

 クリミア自治共和国の首都シンフェロポリ。3日、ロシア軍による掌握が進むなかでも、市民はほぼ平常通りの生活を続けていた。

 ロシア軍の制圧を受けて一時閉鎖された空港は、1日夜から国際線を含めて運行が再開された。人々が避難のために殺到する様子などは見られず通常運行だ。

 商店街の店やレストランもいつも通りに営業している。街を歩くのは、黒とオレンジのしま模様の小さなリボンを付けたロシア系住民ばかり。ソ連の対ナチス戦争勝利を祝うものだという。

 ただ両替商では現地通貨フリブナの価値が急落している。銀行のATMの前にも列ができていた。