2014-03-03
開幕戦の「もめごと」に思うこと
柏レイソルとの開幕戦はオイラにとって醜いものになってしまった。
試合そのものは、新生FC東京にふさわしい見応えのあるものだったに違いない。「違いない」と書いたのは、ある一人のサポーターのために観戦を台無しにされたからだ。
以下、長文てす。
台無しにさせたサポーターを仮に「莫迦者(ばかもの)」と呼ぶことにする。
試合会場である日立柏サッカー場は狭くゴール裏は朝の満員電車のようにひしめき合っている。観客席とピッチの距離は近く、選手の息遣い、駆け上がりの迫力はリーグ屈指で、興奮度の高いスタジアムだ。
莫迦者はゴールマウスをはさんで心臓部とは反対側の最前列、オイラの目前にいた。周りは女性サポ、家族連れも多く、いわゆる「ゆるい」応援と「熱狂」応援が入り混じっているエリアだ。
莫迦者は、年齢推定30代中頃、東京のTエンブレムをあしらった青いパーカー、黒いニット帽といったいでたちだ。
莫迦者とのやり取りはこうだ…
応援しつつもいつものように写真を撮っていたyomeに因縁を付け始める。
「(権ちゃーん!タマ!と声援を送るyomeを)ちぇっ(睨む)」
「写真なんか撮るんじゃねえ(とすごむ)」
「(ふつうにyomeが応援してても)ちぇっ(時々振り返り睨む)」
オイラはこのやり取りに気が付かず。
前半終了、ハーフタイム…
「(後ろでシオ―と叫ぶ女性に)ちょっとあの女しめてきていいか」と、
一緒に見ていた仲間に言い、止められると
「ざけんな、ここはそういうところじゃねえんだ!」と周りを威嚇。
相手にしちゃいかん、なんかヤバいヤツかもと、その時オイラは思いはじめる。
後半、試合開始…
早々に、鉄柵に足をかけ上に登り、ピッチに背を向け、
観客席に向かってチャントをがなる。
代表戦などでよく見る他サポへの「あおり」をはじめる。
三田が点を決めようが、ナオが投入されようが、
フリーキックのチャンスだろうが、CKだろうが、莫迦者の「あおり」は続く。
オイラはどうしたもんかと、いろいろシミュレーション。
注意する→柵から降りず更にエスカレート→力づくで降ろさせる→
もめる→手が出る→大ごとになる→クラブに迷惑がかかる→出入り禁止になる…その刹那
「(yome)見えないんで降りてください」
「(莫迦者)試合なんか、見てんじゃねえよ!」
わけわからん。
周りから「見えない」「降りろ」の声。
「(yome)全然見えないんで降りてください」
「(莫迦者)うるせぇ、バカたれがぁ(凄む)」
「(オイラ)試合見ねえで、応援してんじゃねえ、試合を見ろ、試合を!」
「(莫迦者)ここは見る場所じゃねえ…てめえいつからサポやってんだ!」
「(オイラ)・・・」
「(莫迦者)俺は99年からやってんだよ」
「(オイラ)・・・」
「(莫迦者)俺には東京愛があるんだよ。」
「(オイラ)…」
「(莫迦者)声出せ、男気見せろ!」
「(オイラ)わかったから、そこを降りて、俺の隣で応援しろっ」
「(莫迦者)るせえ! &=$#=&$#&%$$#%&…(聞き取れず)。」
こぶしを目前に突き付けて煽られる。
こりゃもう恫喝だ。
オイラに罵声を浴びせ、明らかにオイラが手を出すのを待っている。
恫喝とオイラの無視が10分程度続く
そこへ、他のサポが怒鳴り込みにくる
「あんた、ジャマだから降りてくれない」
今度はそのサポを威嚇する。
こりゃもうだめだと、パーカーに手をかけて引きずり下ろす。
なんだかんだと揉めているうちに、レイソルスタッフが来て莫迦者を連れていく。
後半20分過ぎやっと平和が訪れる。
ところが後半終了間際、また観客席に姿を見せる。
さっきまでの悪態のせいで周りに緊張感がはしった(ように見えた)。
レイソルスタッフと誰かを探しているようでもあったが(オイラではなかった)、
スタッフが去ると、また、ブツブツ言い始めた。
開幕戦を台無しにされた怒りと、これ以上邪魔されたくない気持ちもあり、
スタジアムの外につまみ出そうとした。
これが良くなかった。
莫迦者に殴りかかるように見えたのか、yomeと友人に全力で止められた。
でも、莫迦者の態度は改まりそうもないので
力づくでゴール裏から外へと連れ出した。
観客が引けたあと、雨の中、スタジアムの敷地の外に出て
レイソルの関係者、阿久根社長はじめとするFC東京のクラブ関係者に事情説明。皆さんには納得して頂いたが問題は莫迦者の訴えだ。
・自分は昔からのサポーターである。
(99年からずっと応援してるそうだ…)
・東京愛はハンパない。
・ゴール裏は試合を見るところではなく、選手と戦う場所。大声で選手を鼓舞しなければならない
・ゆるいサポーターはゴール裏にいてはいけない
・だから、鉄柵に乗ってゆるいサポをあおって声を出させようとした。
皆さん、どう思いますか?
最大の過ちは、自分の考えを他のサポに強要したことだ。
しかも柵に登ってはいけないというルールを犯して。
いいのだ、「ゴール裏は熱狂だけが集まる場所」と思う輩がいても…
どう思うのかは人それぞれだ。
いろいろな人がいた方がいい。
・コールリーダーに合わせて常に歌い、叫び、跳ね続ける。
・時に熱くチャントを歌い、時にご贔屓の選手の名を叫んで鼓舞する。
・時に冷静に戦況を見つめ、時に声を出して応援したい。
・ゴールに迫ってくる迫力に身を委ねたい。
・ゴール前のぎりぎりの攻防を楽しみたい
・チャントのリズムを家族で楽しみたい。
・いつもの仲間とここで応援したい。
いろいろな目的がゴール裏にはあるし、その多さがサッカーをより魅力的なものにする。
「ゴール裏にいるくせにチャントを歌わないのはけしからん」と言う声をよく聞くが、そう思う人は勝手にひとつになればいいのだ。
他のサポに強要することではない。
強要した時点で「莫迦者」と同じ思考回路に陥る。それは、ものすごく危険なことだと思う。どうして危険なのかというと、サッカーの魅力を自ら画一的にし矮小化するばかりか、新しいサポーターは排除するダークイメージがはびこるからだ。そんなのは論外だろう。
莫迦者は言った。
古いサポは大事にされないと、ゴール裏がひとつなれず、味スタを満員にすることなんでできないと。
そうではない、断じてそうではない。
古いサポも、新しいサポも、子供たちも、年寄りも、価値観の違う多様な人たちが、サッカーのいろいろな楽しみをそれぞれ持ち寄り、チャントが響き渡るゴール裏から埋まっていき、いずれそれがスタジアム広がっていく。
これが理想的なお客の入り方だとオイラは思う。少なくともFC東京はそうあってほしい。
サポーター歴の長さとか、東京愛の深さなんてどうでもいい。どう楽しむのか、どう楽しめるのか、その幅の広さが大切なんだ。こんな楽しみ方があるんだとお互いに主張して、お互いにそれをまた楽しめばいいのだ。
誰かに強要されるのではなく、声を出したい奴が勝手に声を出せばいい。スタジアムの至るところからチャントが巻き起こり、自然にそれが1つになったら面白い、というようなことを、その昔、コールリーダーの植田氏が言っていたように思う。
こうした自由がFC東京の「文化」になると素敵だと思う。
「文化」とは世代を超えて受け継がれていくもののことを言い、霊長類学の定義では最低三世代だそうだ。つまり、孫の代まで、「ルカルカルカルカ…」とやっていたらそれは立派な文化と言えるのだ。
こうした文化がたくさん培われていくクラブが、スタジアムを満員にできるのだろう。
莫迦になるな、寛容になれ。
いろんな奴がいるからサッカーは面白い。
とオイラは言いたい。
ずいぶん長いブログになってしまった。
最後に今回の「もめごと」でたくさんの人に不快な思いをさせてしまったこと、また、柏レイソル、FC東京の両クラブの関係者の皆さんにたいへんな迷惑をかけてしまったをお詫びしたいと思います。
本当にすみませんでした。
今回のことで、もしも莫迦者がいたら、速やかにクラブスタッフに伝えて対応してもらうのが一番いい対応策だと学びました。
さあ、ホーム開幕戦をゴール裏から思いっきり楽しもう!
まずはせっかくの楽しい観戦が台無しになってしまわれて読んでいてとても悲しくなりました。と同時に注意する勇気に感服しています。
また、後程書き込ませていただきます。
そんな事があったなんて!
奥様とかに危害がなかったのか?ちょっとドキドキしながら、読んでしまいました。。。
色々な『サポーターの形』がありますからね~
でも、周りに迷惑掛けるのは。。。( ̄▽ ̄;)
あの日、あのとき、現場の数列後ろから観戦してました。
正直、途中から騒動が気になって仕方なく、例の男性がスタンドに戻って徘徊し始めたときには恐怖さえ感じました(目付きに殺気がこもってましたから)。
でも、この文章によって、その理由がわかり、なんだかスッキリしました。その後の例の男性への処分等が気になるところではありますが。
ホーム開幕甲府戦、しっかり楽しんで、しっかり勝ちましょう!