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【大リーグ】

ダルビッシュ、圧巻の4奪三振 制球もOK!29球中23球ストライク

2014年3月1日 紙面から

 【サプライズ(米アリゾナ州)大城和美】メジャー3年目のスタートは、圧巻だった。レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は27日、ロイヤルズとのオープン戦初戦に先発。先頭の青木宣親外野手(32)を空振り三振に打ち取るなど2イニングを2安打無失点、4奪三振に抑えた。今季の課題としていた制球も、29球中23球がストライクで、打者8人全員に初球ストライクと進化を見せつけた。青木は3打数無安打だったが、二塁盗塁を成功させて持ち味を発揮した。

 ロケットスタートの皮切りは、青木との直接対決だった。直球系を3球続けて追い込むと、4球目は膝元に曲がり落ちる82マイル(132キロ)のスライダーで空振り三振。クルリと半回転して後ろを向いたダルビッシュは、何事もなかったかのように無表情だったが、内心はしてやったりだった。「打ちたそうだったので、三振を取ってやろうと思った」

 最速96マイル(154キロ)をマークし、4奪三振で2イニングを無失点。結果を出し、試合後はすっきりした表情だった。「真っすぐに力があった。スライダーも曲がっていたし、コントロールも良かった」。よほど手応えがあったのか、「(オープン戦初登板では)3年間でベストの投球だった。理由? 単純にリラックスしているから。明日のミーティングでマダックス(投手コーチ)に褒められるので、それがうれしい」と笑わせる余裕さえあった。

 最大の収穫は、ダルビッシュと首脳陣が口をそろえて今季の課題に掲げる制球力だ。この日は29球中23球がストライク。大リーグでは理想はストライクとボールの比率が2対1とされるが、これをはるかに上回る約4対1だった。さらにこの日は打者8人全員に対し、初球ストライク。昨季のダルビッシュは初球ストライク率が57・6%で、これは規定投球回数をクリアした投手では、リーグで下から11番目の数字だったが大幅に改善された。

 試合後のマダックス投手コーチも「自分のカウントに持っていったから、打者もスイングするしかなかった。ユウの球を振らなきゃいけないとなると、人生はつらいよな」と制球を称賛。昨季はリーグトップの277奪三振ばかりが大きく報じられたが、80与四球は同ワースト3位で、必然的に「1打者に平均4・1球」も同ワースト2位。制球が改善されてボール球が減れば、より長いイニングを投げられることにもつながる。

 一般的にメジャー挑戦する日本人投手は、手の内を知られるため年々不利になり、逆に打者は年々有利になるというが、ダルビッシュにその心配は無用だ。今年の気持ちについて「相手も(自分の投球を)分かっているから、僕みたいに球種の多い投手は、逆にやりやすくなる」。3年目は、いよいよ“アンタッチャブル(不可侵)”の領域に突入しそうな予感だ。

 

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