初の開幕スタメンとなることが濃厚な若き右サイドバックが闘志をたぎらせた。サイドMFからコンバートされた高卒3年目の田鍋は「自分にとっては絶好のチャンス。ここを逃したら次はない」と意気込んだ。
昨年12月、不動の右サイドバックだったDF田中隼(現J2松本)は、「若手はポジションを与えられるのではなく、奪ってほしかった」と言い残してクラブを去った。田鍋にとっては「2年間見習うところばかりだった」という先輩からポジションを与えられた形。だからこそ、ぶざまなプレーは見せられない。「ハユさんも見てくれると思う。結果で示していければいい」。攻守に仕事をまっとうし勝利に貢献してはじめて、隼磨の後継者として胸を張れる。
開幕戦は、16年リオ五輪をめざすU−21日本代表の手倉森監督が視察に訪れる予定で、「オリンピックも視野に入れながらやっていく」と名乗りを上げた田鍋。名古屋の右サイドから、未完の大器が世界に羽ばたく。 (宮崎厚志)
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