ダニルソン(左)を指導する西野監督=トヨタスポーツセンターで(野村和宏撮影)
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西野グラ初陣のキーワードは、リラックスだ。西野朗新監督(58)を迎えた新生・名古屋グランパスは1日、ホームの豊田スタジアムでの開幕戦で清水と激突する。28日に2日連続となる非公開での最終調整を終えた指揮官は、「リラックス。力を抜いて入っていく必要がある」と強調。抜てきする若手選手にもミスを気にせずのびのびプレーするように伝え、最大限の能力を発揮させる。
暖かな西日を浴びた名将の表情は、穏やかだった。非公開で約90分間の最終調整を終えた西野監督。いよいよ迎える開幕戦の位置付けを問われると、かつての自身を振り返りながら、チームがあるべき心境を説いた。
「14回目ですかね。当初はスタートダッシュとかすごく肩に力が入っていて、プランに固執したところもあった。すべてをスタートに託すように力が入っていると、シーズンはなかなか保たない。選手にはプレッシャーになる。34分の1とは捉えにくいが、そのくらいリラックス、力を抜いて入っていく必要がある。そういう雰囲気を与えたい」。実際は15回目の開幕戦だが、J1通算244勝の経験から導き出した答えに間違いはない。
開幕戦の重圧は独特。田鍋、本多、大武という初めて開幕のピッチを踏む若い最終ラインの精神面が、試合を分けるポイントとなる。西野監督も「最初に思ったようなプレーができないと、修正が効かないままあっという間の90分になりかねない」と危ぶむ。だからこそ、「おまえの1プレーがすべておまえの評価につながるわけじゃない。ミスを気にしないで連続してプレーしていけ」と、3人の背中を押した。ミスを恐れず、持っている能力を発揮できれば、必ず結果はついてくると信じている。
直前の練習試合ではFC岐阜に敗れるなど満足のいく内容と結果は出なかったが、最後の1週間での修正には自信を見せた。「本当にチームは上向いたと思う。やはりキャリアのある選手たちの開幕への仕上げはさすが。グッと士気が上がった感じがあった」。昨年とは違い、クラブハウスからチーム全員が同じバスに乗って決戦へと向かった西野グランパス。いよいよ新たな挑戦のシーズンが幕を開ける。 (宮崎厚志)
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