H2Aロケット 燃料の注入作業も2月27日 19時12分
地球上の雨を観測する人工衛星などを載せたH2Aロケットの23号機は、28日未明、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられます。
機体は27日昼すぎに発射地点に据え付けられ、最終の準備作業が進められています。
H2Aロケット23号機は、27日午後1時ごろ、専用の台車に乗せられ、組み立てが行われた建物からおよそ500メートル離れた発射地点へゆっくりと移動しました。
午後6時半ごろには燃料の注入作業も始まり、打ち上げに向けた最終の準備が進められています。
今回、ロケットには、日本とアメリカが共同で開発した地球上の雨を観測する人工衛星が搭載されています。
この衛星は、レーダーによって地球上に降る雨や雪を詳しく観測するもので、台風の進路予測など天気予報の精度向上に役立つことが期待されています。
ロケットには、このほか日本の大学などが開発した7つの超小型衛星も搭載され、地球を回る軌道に投入される予定です。
今のところ、種子島宇宙センター周辺の天候に問題はないということで、H2Aロケット23号機は、28日午前3時37分に打ち上げられる予定です。
雨を観測する人工衛星
打ち上げられるH2Aロケット23号機には、日本とアメリカが共同開発した地球上の雨を観測する人工衛星が搭載されています。
衛星の重さはおよそ4トンで、弱い雨や雪でも、正確に観測できるのが特徴です。
観測に用いられるのは、日本がこの衛星のために開発したレーダーで、高度およそ400キロの上空から地上に向けて2種類の電波を出します。
空中の雨や氷の粒で反射して戻ってきた電波の強さや、かかった時間を測定し、雨や氷の粒の量や場所を測定する仕組みです。
従来の衛星では、こうした情報は、赤道近くでしか分かりませんでしたが、今回の衛星は、日本を含め地球上のおよそ9割の地域をカバーします。
また、すでに地球を回っているアメリカや欧州などの10余りの人工衛星のデータを併せて分析することにより、地球上のほぼすべての場所の雨や雪の様子を、およそ3時間ごとに調べることができるようになります。
観測されたデータは世界各国に提供され、台風の進路予測や集中豪雨の予想など、天気予報の精度の向上に役立つことが期待されています。
衛星の開発に携わった東京大学大気海洋研究所の高薮縁教授は、「広い範囲の雨を、高い頻度で観測できるようになるので、大きな河川の洪水など、災害予測にも役立つ。30年後、50年後の日本の梅雨や台風の様子を予測することも期待できる」と話しています。
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・ H2Aロケットを打ち上げ (2月28日 4時04分) ・ H2Aロケット23号機 打ち上げ成功 (2月28日 4時04分) |
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