【書評】 TEDスピーカーに学ぶ「伝える力」 魂を揺さぶるプレゼンテーション
- March 3rd, 2014
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本人から献本いただきました。感謝!
「TEDx」シリーズではない、本場のTEDに登壇したBLACKの著書です。BLACKとは昔から友人ですが、いやはや、すごいところに到達しています。負けられない。
↑ スタンディングの拍手喝采を浴びた彼のパフォーマンスはこちら。10分ちょっとです。
このプレゼン、TEDのあとにBLACKと仲間たちで見たのですが、見終わって口をついて出た感想が「あっぱれすぎる!」でした。
本場TEDというプレッシャー、しかも英語もそんなに得意ではない、という中でのスピーチ&パフォーマンスでしたが、BLACKの「努力の人柄」がにじみ出ていて日本人として誇りに思いました。あのステージでミスもなくやりきる精神力がすごい。
もちろんこのスピーチが成功したのは、石橋を叩いて渡らないぐらいの慎重さと、自信がつくまで何度でも練習を積み重ねる精神力、そしてどの国の人に対しても相手を思いやる礼儀正しさがあってのことです。本書ではそのあたりが実に誠実に書かれています。
いろいろテクニック的なことも書いてはありますが、やはりBLACKがすごいのは「まわりに感謝しつつ丁寧に礼を尽くす」という一点につきるのではないか、と個人的に思います。
とりわけ印象に残ったのはスピーチの草稿を書いたあとにTED主催者にメールで「これでいいですか?」と問い合わせるシーン。彼の気の回し方が実に丁寧です。
「大事なのは主催者の目的に合致しているスピーチができているかを聞くことです。しかしそのままストレートにこの疑問をぶつけてはいけません。言い方によっては『あなた自身の目的がはっきりしてる?』と捉えられることもあるからです。相手を気遣いながらコミュニケーションをするのが大事だと思います。」
気にしすぎだろ、と思わないでもなかったのですが苦笑、自分が発した言葉が相手にどのような影響を与えるかを何通りもイメージできるかどうかが、テキストによる言いっぱなしコミュニケーション(メールやらツイッターやら)には特に必要だと思います。このあたりをナチュラルにこなせる丁寧さに感銘を受けました。
プレゼンの専門家ではないBLACKが書いた本だけに、小手先のテクニックに頼らずに、素直に伝えたいことを伝える術が書かれているのかな、と思いました。ちょっとほめすぎか。
それから本筋とはあまり関係ないかもですが、巻末の彼の日記がすごいので是非ご覧ください。TEDに出るって本当にセレブ的な場に身を置くことなのだな、と痛感します。
彼自身が何度も繰り返していますが「まったく普通だった自分がこんな舞台に立てるなんて!」というストーリーはすべての人に元気を与えてくれるはずです。
普通の人からすごい舞台へ、を等身大に描いた素敵な本だと個人的に思います。よろしければ。
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