【寿工業(株)子会社 破産に切り替え】 アジア特殊製鋼(株) ~ 続報/破産申請 【負債205億円】
アジア特殊製鋼(株)(福岡県九州市若松区向洋町、奥原征一郎代表)は4月6日、福岡地裁小倉支部へ破産手続開始を申し立てた。負債は、205億円。4月3日、特別清算の方向を明らかにしていたが、破産による負債整理に切り替えた。
寿工業(株)(広島県呉市)及びポスコP&S(株)(韓国系)との合弁会社で、寿工業㈱が62%出資する同社の子会社。大型船舶や産業機械、風力発電設備の高強度部品の素材となる鍛造用鋼塊(インゴット)を製造し、韓国・ポスコ向けの輸出が主力。
しかし、工場建設中の平成20年9月にリーマンショックが勃発、インゴット需要の低下で輸出数量が減少しただけでなく、ウォン安の影響から採算が全く取れない状態になった。また機械のトラブルなどもあり、平成22年2月から3月にかけて営業を控えたというトリプルパンチに見舞われ,設立以後赤字続きで、平成23年12月期での累積赤字は106億円に達していた。平成22年12月から借入金の元本返済を停止、平成23年12月から利払いもストップする等、手厚い金融支援を受けていたが、販売すればするほど赤字となる状況下にあって、先行きの見通しが立たず、4月3日の取締役会で即時事業を停止することを決定していた。