関西を中心に喫茶店「珈琲(コーヒー)の青山」を経営する青山珈琲(兵庫県尼崎市)が喫茶事業から撤退し、全11店舗を閉店したことが3日分かった。同社は「売り上げの低迷などから撤退を決めた」としている。
尼崎市や神戸市にある兵庫県内4店舗を含め、2月28日から全店を閉鎖している。
帝国データバンク神戸支店によると、青山珈琲は1948年に尼崎市で創業。百貨店などにも進出し、2003年には約40店舗を展開していた。同社は「近年は売り上げが芳しくなく、社長も高齢となったため、不動産などに絞ることにした」としている。
阪急神戸三宮駅前にある三宮西口店をよく知る関係者は「開店以来、待ち合わせの場所にも使われ、団体客も多かった。非常に残念だ」と話した。
近年、喫茶店業界は大手チェーン店の寡占が進んでいる。帝国データバンクが1097社を対象にした調査では、売上高合計は2年連続で増えているが、その6割強はスターバックスコーヒージャパンなどの上位10社が占める。
さらに近年はコンビニも「入れたてコーヒー」を扱うなど競争が激化。帝国データバンクは「総務省の統計でも喫茶店の事業所数は1981年をピークに減少が続く。今後、中小の事業者はさらに苦戦を強いられる」としている。(土井秀人)
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