Updated: Tokyo  2014/03/03 16:20  |  New York  2014/03/03 02:20  |  London  2014/03/03 07:20
 

ウクライナ向け天然ガス、ロシアが値引き適用終了示唆

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  3月3日(ブルームバーグ):ロシアの天然ガス輸出を独占するガスプロム は、ウクライナ向け天然ガスへの値引き適用を終了する可能性を示唆した。適用が打ち切られれば、破綻の危機にあるウクライナ財政への負担が増すとともに、欧州向けエネルギー供給が脅かされる恐れがある。

ロシアは1日、ウクライナがガス代金の債務15億5000万ドル(約1570億円)を支払わなければ、同国への割安なレートでのガス供給を約束した昨年の合意の適用を終了する可能性があると発表した。ビクトル・ヤヌコビッチ氏が2月にウクライナの大統領を解任されて以降、ロシアが同国への主要エネルギー供給国として直接、新政権に圧力をかけるのは初めて。

ロシアのプーチン大統領は議会からウクライナへの軍事介入の承認を得ている。同大統領はこれまでもウクライナに圧力をかける手段としてガス供給を繰り返し利用してきた。2006年以降、ガス代金の支払いをめぐって2度にわたり供給を停止している。ウクライナは旧ソ連時代に敷設されたパイプライン網を運営しており、ロシアの欧州連合(EU)向けガス輸出の半分余りが輸送されている。供給が途絶すればこの地域のエネルギー安全保障が危機にさらされかねない。

米イースト・ヨーロピアン・ガス・アナリシスの責任者、ミハイル・コルチェムキン氏は、ロシアによるガス代金の債務返済要求について「ロシアがウクライナに圧力をかける際の常とう手段だ。過去10年間、ロシア政府は旧ソ連諸国に圧力をかける際にガスを政治的手段として利用してきた」と指摘した。   

原題:Russia Gas Threat Shows Putin Using Pipelines to PressUkraine(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:モスクワ Elena Mazneva emazneva@bloomberg.net;モスクワ Stephen Bierman sbierman1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Will Kennedy wkennedy3@bloomberg.net

更新日時: 2014/03/03 10:39 JST

 
 
 
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