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【社会】

旧日本軍展示 政府見解に沿い改装へ 大阪の博物館

2014年3月3日 07時11分

 大阪府市が共同出資し、旧日本軍による加害行為の展示で知られる財団法人博物館「大阪国際平和センター」(ピースおおさか、大阪市中央区)が、大阪市教育委員会の要請を受け、歴史認識に関する「政府の統一的見解」を指針とした改装計画を進めていることが二日、分かった。ピースおおさか関係者が明らかにした。

 全国の平和博物館、資料館では展示内容を縛る同様の指針を設けたケースはなく、極めて異例。各地の博物館からは「政府の歴史認識に合わせるのは根本的におかしい。時の政権の方針に左右される恐れもある」との批判も上がっている。

 昨年四月、来館者数の六割を小中学生が占めるピースおおさかは「教育基本法や新学習指導要領の趣旨を十分に踏まえる」として、加害行為の展示を大幅縮小する構想を決定した上で、大阪府市特別顧問ら四人が監修委員会メンバーとして展示内容を議論してきた。

 文部科学省は一月、教科書で近現代史を取り扱う際に政府見解を尊重するよう検定基準を改正。大阪市教委はその後、ピースおおさかに「展示が教科書に準じるなら整合性を図る必要がある」と、改装計画に政府見解を盛り込むよう働き掛けたという。

 政府の統一的見解の内容について、市教委は、植民地支配と侵略を認めた一九九五年の村山富市首相談話などと説明する。だが、安倍晋三首相が昨年五月に「侵略戦争の定義は定まっていない」とした答弁書も対象になるとの見方があり、何を指すか定かではない。

 政府見解の踏襲は監修委の議論を経ずに、ピースおおさか理事会で承認した。

(東京新聞)

 

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