「事件の全容解明は始まったばかり」。女子生徒が殺害された事件で、2日深夜から記者会見した三重県警捜査幹部は硬い表情でそう話し、気を引き締めた。
県警の捜査では、被害者の女子生徒がスマートフォン用の無料通信アプリ「LINE(ライン)」を通じて友人に書き込みを送信後、姉が電話をかけてもつながらず、消息が途絶えた昨年8月25日深夜の「空白の22分間」がカギだった。会見で捜査幹部は容疑者を絞り込んだ理由について、「捜査と証拠を積み重ねた」との説明にとどめた。
捜査本部によると、少年は2日午前、同県鈴鹿市内で父親といたところを任意同行された。聴取にはきちんと受け答えをし、昼食に出されたおにぎりも食べ、落ち着いた様子だという。
女子生徒は昨年8月25日夜、同県四日市市で花火大会見物後、午後10時半ごろ、JR朝日駅で降り、近くのスーパー前で友人と別れ、1人で帰途についた。スーパー近くの防犯カメラには同10時45分ごろ、女子生徒の自宅方向に1人で歩く少女の姿が写っていた。
同10時55分ごろ、LINEで別の友人とやり取りした記録が残っていた。「今からカラオケに行く」と伝えた友人に、間もなく「いいな」と返信。友人が約5分後に送った書き込みを見た形跡はなく、同11時17分、女子生徒の姉がスマートフォンに電話をかけたが女子生徒は出なかった。
一方、スーパーの約300メートル西方では、県道横の歩道を歩く女子生徒とみられる少女が目撃されていた。遺体発見現場の空き地付近は暗闇になるが、男子生徒の自宅は女子生徒がたどったルートに近く、様子を把握していたとみられる。