ウクライナが戦闘準備態勢、ロシア軍はクリミア半島を掌握
[キエフ/バラクラバ(ウクライナ) 2日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領がウクライナのロシア系住民の保護を理由に同国に軍事介入する方針を表明し、ウクライナは2日、戦闘準備態勢に入った。
米国政府はロシアの行動を非難、経済制裁を検討すると警告した。
プーチン大統領は、ウクライナのロシア系住民を保護するための軍事介入について上院に承認を求め、上院は1日にこれを承認した。プーチン大統領はオバマ米大統領との電話協議でロシアの国益と民族を保護する権利を主張、ウクライナへの軍事介入に反対する欧米諸国の要求をはねつけた。
ウクライナのヤツェニュク首相は「これは脅しではない。わが国への宣戦布告だ」と英語で語った。
ロシア軍はすでに、戦闘はしていないものの海軍基地のあるウクライナ南端のクリミア半島に部隊を展開し、事実上支配下に置いている。ロシア軍は2日、半島内にあるウクライナ軍の複数の前哨基地を包囲し、部隊に武装解除を要求。ウクライナ軍の一部が抵抗し、にらみ合いとなったが、武力行使には至らなかった。
ロシア系住民が大半を占めるクリミア半島をロシア軍が支配する一方、ロシア語を母国語とするウクライナ系住民が多く暮らすウクライナ東部では2日も親ロシア派の活動家によるデモが続き、ロシアに保護を要求するなど、今後の展開が注目されている。
ロシアはウクライナとの国境沿いで15万人規模の軍事演習を実施したが、今のところ演習をした部隊は国境を越えていない。
ウクライナ政府は、親ロシア派のデモを実行するためロシアから住民数百人が自国内に送り込まれたと主張している。 続く...