論文を掲載した『ネイチャー』も、17日付のニュースで異例の独自調査を始めたことを明かした。
いったい、小保方論文の何がそれほどまでに問題とされているのか。
複数ある指摘のなかでも、すでに「ミス」と著者サイドが認めているポイントがある。
それは、STAP細胞から作られたマウスの胎盤の写真と、別の方法で作った比較対照用の写真が同じ胎盤を撮影しているとされた点だ。
「もっとデータの公開を」
論文の共著者で、胎盤の写真の撮影を担当した山梨大学の若山照彦教授はこれについて、
「STAP細胞を使って作製した複数のマウスの胎児の写真を何百枚も撮影したため、小保方さんが同じマウスの写真を2回使ってしまった」
として、単純ミスだと説明している。
しかしその上で、2枚目の写真はあくまで比較対照用であり、「STAP細胞でマウスや胎盤ができた」という事実は揺らがない、として研究の正確性への影響を否定しているという。
ちなみに若山教授は'97年、クローン羊のドリーの論文が発表された後、1年半をかけてマウスの体細胞クローンを生み出し、技術の有効性を証明した功労者。無責任な発言をするような人ではないと、STAP細胞には懐疑的な研究者ですら信頼を寄せている人物だ。
信頼のある共著者が率直にミスを認めた形となった小保方論文だが、素人目に疑問なのは、科学界では論文を「間違えました、直します」と言って許されるのかという点だろう。
カリフォルニア大学デーヴィス校医学部で再生医療の研究に携わる、ポール・ノフラー准教授はこう話す。
「論文に、誤植などの小さな間違いは比較的よくあります。
しかし画像の混同といった手違いは大問題であり、過去には論文撤回の理由になったこともある。本当に全体の結果に影響しないか精査しないといけません」
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