1. 国内編
1.1セラミックファイバーの基礎
1.2セラミックファイバーの健康影響
1.3法規制
1.4労働衛生対策
1.5廃棄物/リサイクル対応
2.海外編
1.国内編
1.1セラミックファイバーの基礎
Q.セラミックファイバーとはなんですか?
A.セラミックファイバー(CF)とは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)を主成分とした人造鉱物繊維の総称で、非晶質(ガラス質)のリフラクトリーセラミックファイバー(RCF)と結晶質のアルミナ繊維及びムライト繊維(これらをAFという)があり、アルミナ短繊維とアルミナ長繊維に区分されます。
なお、アルミナ短繊維はアルミナ含有量が70%以上、アルミナ長繊維はアルミナ含有量が60%以上です。
(「セラミックファイバー製品の取扱い 1.1」を参照)
▲TOP
Q.セラミックファイバーの国内生産量はどの位ですか?
A.リフラクトリーセラミックファイバーの国内生産量は年間約12,000〜18,000トンで、アルミナファイバーの国内生産量は年間6,000〜8,000トンです。
(「セラミックファイバー製品の取扱い 1.4」を参照)
▲TOP
Q.セラミックファイバーには、JIS規格がありますか?
A.セラミックファイバーそのもののJIS規格はありません。なお、セラミックファイバー製品のうち、リフラクトリーセラミックファイバーブランケット製品は、JIS規格「JIS R 3311 セラミックファイバーブランケット」があります。
▲TOP
Q.セラミックファイバー製品製造工場は、JIS認定工場ですか?
A.JIS認定工場にはなっていません。
▲TOP
Q.セラミックファイバーの繊維径はどのように測りますか?
A.セラミックファイバーの繊維径の測定は、本ホームページの関連データの「繊維径測定マニュアル(PDF)」をご参照ください。
▲TOP
Q.浮遊中のセラミックファイバー濃度はどのような方法で測定しますか?
A.空気中に浮遊しているセラミックファイバーを孔径1.2μmのメンブランフィルターに捕集し、捕集したメンブランフィルターを透明化処理した後、総合倍率400倍の位相差顕微鏡で、長さ5μm以上、幅(直径)3μm未満、アスペクト比(長さ/幅)3以上のセラミックファイバーを計数して測ります。詳細は硝子繊維協会、ロックウール工業会、セラミックファイバー工業会発行の「人造鉱物繊維(MMMF)繊維数濃度測定マニュアル」(1992)を参照ください。
▲TOP
Q.リフラクトリーセラミックファイバーは加熱前と加熱後では、組成が変化しますか。また、加熱する温度によっても違いは生じますか?
A.加熱前は非晶質(ガラス質)の繊維ですが、加熱後は、加熱温度が1,100℃以上でムライト相の繊維とクリストバライト(結晶質シリカ)に変化し、組成が変わります。
また、加熱する温度が1,000℃未満では大きな変化は起きませんが、1,000℃以上になってきますと、前述したように徐々に変化(ムライト+クリストバライト)が起きてきます。
▲TOP
1.2セラミックファイバーの健康影響
Q.リフラクトリーセラミックファイバー(RCF)とアルミナファイバー(AF)は発がん性物質ですか?
A.RCFに関してはIARC(国際がん研究機関)により、吸入により発がん性の可能性がある物質として、グループ2Bに位置付けられています。
一方、AFについては、生産量も少ないことから、動物実験の結果も少なく、このため、国際的な評価も受けていません。
(「セラミックファイバー製品の取扱い 2.2、2.3」を参照)
▲TOP
Q.セラミックファイバーと石綿「アスベスト」とはどう違うのですか。また、人体に与える影響にも違いがあるのですか?
A.セラミックファイバーとアスベストは、まったく別のものです。
アスベストは天然の鉱物繊維ですが、セラミックファイバーは人工的に製造した繊維です。人体に与える影響に関しては、アスベストの場合は各種疫学調査により、人に対して、石綿肺、石綿肺がん、悪性中皮腫等の発生が確認されています。
一方、セラミックファイバーは人に対して、明確な疾病が発生したという症例は我々が知る限りありません。
(「セラミックファイバー製品の取扱い 2.2」を参照)
▲TOP
Q.セラミックファイバーは皮膚に対して影響しますか?
A.リフラクトリーセラミックファイバーは平均繊維径が2〜4μm程度ですので、かゆみや紅斑を生じることがありますが、一過性で慢性の障害を生ずることはないとされています。
一方、アルミナファイバーは繊維径が太いこともあり、皮膚刺激がありますが、一過性です。
▲TOP
Q.セラミックファイバーを誤って飲み込んでしまいましたが、健康への影響はありますか?
A.誤飲により健康への悪影響が生じた報告例はありません。
セラミックファイバーを飲み込んだ場合は、胃検査に使用するバリウムと同様に体外に排出されると考えられます。
しかし、セラミックファイバーは食べ物ではありませんので、食べないことが肝要です。
▲TOP
1.3法規制
Q.セラミックファイバーの取扱い作業に粉じん障害防止規則(粉じん則)は適用されますか?
A.粉じん則の適用を受けます。
セラミックファイバーは人工鉱物に該当し、次の作業が適用対象となります。
- 鉱物(本製品)を裁断し、彫り、または仕上げする場所における作業
- 鉱物(本製品)を動力により破砕し、粉砕し、またはふるい分ける場所における作業
- 耐火物を用いて窯、炉等を築造し、若しくは修理し、または耐火物を用いた窯、炉等を築造し、若しくは破砕する作業
▲TOP
Q.セラミックファイバーの取扱い作業に特定化学物質障害予防規則(特化則)は適用されますか?
A.特化則の適用を受けません。
特化則は、化学物質を指定しており、その化学物質を製造又は取り扱う作業が適用対象となりますが、セラミックファイバーは、そのリストにありません。
▲TOP
Q.セラミックファイバーは労働安全衛生法第57条(名称等表示)の適用対象物質ですか?
A.労働安全衛生法第57条の適用対象物質ではありませんので、法的に、梱包資材にラベル表示を行う必要はありません。
セラミックファイバー工業会としては、製造物責任法も勘案して、業界独自にラベル表示を実施しています。
(「セラミックファイバー製品の取扱い 4.1.3」を参照のこと)
▲TOP
Q.セラミックファイバーはMSDS(製品安全データシート)発行義務のある物質ですか?
A.セラミックファイバーは、労働安全衛生法第57条の2(文書等の発行)に基づく通知対象物(313人造鉱物繊維)に位置づけられるため、MSDSの発行義務がある物質です。
(「MSDSモデルシート」を参照のこと)
▲TOP
1.4労働衛生対策
Q.GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に沿った、平成18年12月施行の労働安全衛生法の改正により、MSDSに環境/衛生上の評価とシンボルマークの表示を行うことになったと思いますが、この対応はされていますか?
A.GHS対応MSDSをHP上で公開しています。
(「MSDSモデルシート」を参照のこと)
▲TOP
Q.セラミックファイバーの取扱い作業で、防じんマスクの着用を必要とするのはどのような場合ですか?
A.粉じん則に該当する作業に従事するような場合は防じんマスクの着用が必要です。
粉じん則に該当する作業以外にも、粉じんの発生があるような場合は、防じんマスクの着用を推奨します。
▲TOP
Q.セラミックファイバーの取扱い作業で、使用する呼吸用保護具は、どのような型式のものが適当ですか?
A.浮遊中のセラミックファイバー濃度に応じて、適切な呼吸用保護具を選定します。
(「セラミックファイバー製品の取扱い 4.1.2(5)」を参照のこと)
なお、呼吸用保護具のうち、フィルタ交換型の半面体防じんマスクを使用する場合は、国家検定品を使用し、かつ顔面への密着性に留意することです。また、フィルタの点検と交換などの保守管理を適切に行うことです。
▲TOP
1.5廃棄物/リサイクル対応
Q.セラミックファイバーの廃棄方法(分類など)を教えてください。また、廃棄の際にはどのような法律や規制がかかるのでしょうか?
A.セラミックファイバーは、廃棄物の分類では“ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず”に該当します。廃棄処分は、安定型処分場で差し支えありません。セラミックファイバー製品が不要になり、廃棄する場合は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(略称:廃棄物処理法、廃掃法)の適用を受けることになります。
(「セラミックファイバー製品の取扱い 4.2」を参照のこと)
▲TOP
Q.セラミックファイバーをリサイクルする方法、業者はありませんか?
A.セラミックファイバー及びセラミックファイバー製品の廃材をリサイクルする場合は、受入先が都道府県許可の中間処理業を取得しているか、環境大臣の産業廃棄物広域認定を取得していれば、リサイクルが可能になります。
現時点では、工業会会員では一部の会員がこの認定を受けています。なお、セラミックファイバー及びセラミックファイバー製品の廃材をセラミックファイバーの原料に戻すことは、現時点では困難ですが、それ以外の原料としてリサイクルすることは可能と考えています。
▲TOP
2.海外編
Q.セラミックファイバーには、欧州RoSH指令(廃電子機器に関する有害物質の使用禁止令)の基準を超えるような貴金属(Cd、Pb、Cr6+、Hg)が含まれていますか?
A.セラミックファイバーには、RoSH指令の基準を超えるような貴金属(Cd:カドミウム、Pb:鉛、Cr6+:6価クロム、Hg:水銀)は含まれておりません。
(「セラミックファイバー製品の取扱い 表1.1」を参照)
▲TOP
Q.海外での法規制はどうなっていますか?
A.現在のところ、使用を禁止している国はありません。ただし、各国で労働衛生規制は行ってはおります。
また、欧州では、REACH規則において、RCF(リフラクトリーセラミックファイバー)は、SVHC候補物質に選定されています。詳細については、「セラミックファイバー製品の取扱い 3章」を参照下さい。
なお、AF(アルミナファイバー)については、現時点では欧米共に規制の対象とはなっていません。
▲TOP
Q.セラミックファイバーの規格で、ISO規格はありますか?
A.セラミックファイバーそのもののISO規格はありませんが、試験方法に関する規格(ISO 10635「耐火製品−セラミックファイバー製品の試験方法」)があります。
▲TOP
|