CASE-J

Expert Meeting

主要評価項目(心血管系イベント)で
カンデサルタン群とアムロジピン群は同等
--糖尿病新規発症と左室肥大はカンデサルタン群で有意に減少 --
10月18日のLarge-Scale Clinical Trials Late-Breaking and Clinical Up-dateで、日本人ハイリスク高血圧患者(4,728例)を対象に、我が国で繁用されている代表的な降圧薬ARB カンデサルタンとCa拮抗薬アムロジピンの予後に与える効果を比較した大規模臨床研究CASE-J(Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan)の成績が報告された。

同試験において対象は、
カンデサルタン4〜8r/日(最大12r/日)
アムロジピン2.5 〜5r/日(最大10r/日)
の2群に無作為に割り付けられ、増量でも効果不十分の時は他の降圧薬が追加された。平均追跡期間は3.2 年。試験デザインはPROBE 法(非盲検無作為群間比較法)が採用され、登録・追跡から解析までを京都大学EBM 研究センターが担当した。
実施に際しては、Web を用いた新しい臨床試験システムが使われた。 CASE-Jでは高齢者が約半数を占め、糖尿病合併例が
約43%と他の大規模臨床試験よりも多く、また、平均BMIが24.5Kg/u前後ということから、日本人の高血圧の現状を強く反映していると考えられる。  試験開始時の血圧はカンデサルタン群162/92oHg、アムロジピン群163/92oHgだった。達成血圧値は各々136/77oHg、134/77oHgとアムロジピン群で低かった。

CASE-Jが立証したカンデサルタンの
レニン・アンジオテンシン系抑制効果
主要評価項目である心血管系イベントは両群ともに134例(5.7%)で、心血管系イベントを構成する突然死・脳血管イベント・心イベント・腎イベント・血管イベントいずれも両群間で有意差はなかった。なお、試験前半(18ヶ月まで)はアムロジピン群で、試験後半(18ヶ月以降)はカンデサルタン群で心血管系イベントが減少する傾向が認められた(図1)。カンデサルタンの持つレニン・アンジオテンシン(RA)系に対する強い抑制効果が、時間経過とともに発揮されるようになったことが示唆される。
BMI高値例で一層強まるカンデサルタンの効果
一方、カンデサルタン群ではアムロジピン群よりも副次評価項目である新規糖尿病発症が36 %有意に減少し、BMI高値例においては、その傾向は強く出ていた(図2)。また、BMI高値(27.5 s/u以上)の肥満合併高血圧例において、カンデサルタン群ではアムロジピン群よりも全死亡が有意に抑制されたことも注目される
(図3)。その他の2次エンドポイントでは、左室肥大(左室心筋重量係数で評価)の有意な退縮も認められた(図4)
日本人の、日本人による、
日本人のためのエビデンス
近年日本においても、肥満やメタボリックシンドロームの増加が指摘されている。そのような中で、BMIが高値の高血圧症患者において、カンデサルタンの心血管系イベント抑制効果が強く示唆されたことからCASE-Jは、まさに「日本人の、日本人による、日本人のためのエビデンス」と言える。
図1.主要評価項目:心血管系イベント-経時的イベント発現率の変化-
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図2 糖尿病新規発症率
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図3 副次評価項目:全死亡
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図4 3年後のLVMI減少率-左室肥大を認める患者-
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