第2次大戦末期にヤルタ会談が開かれた黒海の保養地クリミア半島が危機のさ…[続きを読む]
福島第一原発で高濃度の放射能汚染水約100トンがタンクからあふれ、敷地…
福島第一原発で高濃度の放射能汚染水約100トンがタンクからあふれ、敷地を汚染した。昨年8月に約300トンが漏れたのに次ぐ大量漏出である。
東京電力のふがいなさは相変わらずだが、汚染水対策について安倍首相は1月の施政方針演説で「国も前面に立って、予防的・重層的な対策を進める」と約束したのではなかったか。
政府の危機意識と対処への覚悟を改めて問いたい。
漏れた汚染水には、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり2億4千万ベクレルも含まれていた。ストロンチウム90の原発外放出の法定上限は同30ベクレルだから、実に800万倍もの高濃度である。
すべてがこれほど高濃度ではないが、福島第一にはすでに1千基を超えるタンクが林立し、43万トンもの水がたまっている。
非常事態は継続中だ。炉心や核燃料プールを冷やすことで汚染水は増え続ける。漏水対策がますます重要になっている。
だが、巨大で複雑な現場に国も東電も対応し切れていない。
漏水は2月19日から20日にかけて起きた。配管を通じて汚染水をタンクに入れる作業をしていたところ、同じ配管につながっていた別のタンクに流れ込み、上からあふれ出た。
本来なら閉まっているはずの別系統への弁が開いていたためだが、事故から1週間以上たっても誰がいつ開けたか、故意なのか単純ミスなのか、わかっていない。
問題は深刻だ。あふれたタンクで水位高の警報が鳴ったり、本来の行き先のタンクで水位上昇が止まっていたりと、異常が検知されていたのに大量漏出を防げなかったからだ。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は「そういう時にどう対処するかという基本的なことが欠けている」と述べた。
国と東電は直接的な原因究明にとどまらず、事故を招いた背景もきちんと洗い出すべきだ。
一線の作業員の問題なのか、管理をしている東電に落ち度があるのか、双方の認識共有や意思疎通が悪いのか、マンパワーや費用は十分なのか…。チェックすべきポイントはいくつもありそうだ。
大規模で複雑な作業を管理するため、東電は海外でプラント建設などを手がけた人材を外部から招く方針だ。新鮮な視点を早く採り入れたい。
経済産業省資源エネルギー庁と規制委は責任を押しつけあうのでなく、東電と分担して前面に立ち、実効ある汚染水対策を講じなければならない。
PR比べてお得!