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『ゼログラビティ』をニューヨークで1回、イギリスで1回、日本で3回観た。『ゼログラビティ』ブルーレイの発売が世界でいちばん早いドイツから取り寄せ、すでに10回以上観た。だからこそハッキリと言おう。今回買った『ゼログラビティ』3Dブルーレイのガッカリ感は異常。近年稀にみる低クオリティだと断言する。

・ほとんどが平坦な描写にしか見えない

映画館よりも「3Dの立体感」が低下しているのは、どのブルーレイも同じ(例外もあるが)。しかし『ゼログラビティ』3Dブルーレイの立体感のなさはひどく、ほとんどが平坦な描写にしか見えない。宇宙服の白、そして宇宙の黒、本来ならば3D化に適した色の組み合わせなのだが、まったくもって平坦。

・映画好きならば軽くショックを受ける

さらに、画質もひどくてザラつきがあり、映画館ではクッキリとしていた部分が3Dブルーレイではボヤけてしまっている。特に肌や機器などのザラつきはひどく、映画好きならば軽くショックを受けるレベル。それなのにコントラストがどぎついレベルで、シーンによっては白い部分がにじんでしまっている。

・テレビの画質を最適化しても解決されない

「映画館よりも劣化してるのは当たり前だろ!!」という考えもあると思うが、許せる範囲を超えている。いくらテレビの画質を最適化しても解決されなかったので、これは3Dブルーレイの問題だと判断した。

・観賞時に「なんだよこれ!!」と思ってしまうほど邪魔

何よりも許せなかったのは、チャプター7の部分。途中から画面の右端に半透明の縦線が出てきて、ジワジワと黒くなっていき、観賞時に「なんだよこれ!!」と思ってしまうほど邪魔に。「もしかしたらドイツ版の3Dブルーレイに問題があるのかも?」と思い、アメリカ版を取り寄せて観てみたが、同様の縦線が出てきて観賞の邪魔をした。

・2D版ブルーレイをテレビ機能で3Dにして観よ!!

もうひとつ驚いたことがある。なんと、『ゼログラビティ』の2Dブルーレイをテレビのシミュレーテッド3D(2D映像を3D映像にする技術)で観賞すると、3Dブルーレイよりも迫力ある立体感を体験できたのである!! よって、『ゼログラビティ』の3Dを自宅で体験したい人は、2Dブルーレイをテレビ機能で3Dにして観たほうがよいと断言する。ザラつきも少なく、シャープでクッキリとした画質の3Dを体験できる。

・素晴らしい作品だからこそ

筆者は『ゼログラビティ』をこよなく愛しているからこそ、あえて酷評させてもらった。日本発売は2014年4月らしいが、もし可能であれば、さまざまな部分を修正してベストな状態で販売してほしいと切に願う。素晴らしい作品だからこそ、最高の状態でリリースしてほしい。

使用ディスク: 『GRAVITY』ドイツ版&北米版
使用プレイヤー: プレイステーション3&レグザサーバー(DBR-M190)

Report: Kuzo.