【ソウル時事】韓国の朴槿恵大統領は1日、日本による植民地支配に抵抗して1919年に起きた「三・一独立運動」の記念式典で演説した。日本が従軍慰安婦制度への旧日本軍の関与を認めて謝罪した河野洋平官房長官談話を検証することを念頭に、「歴史の真実は生きている人々の証言だ。証人の声を聞こうとせず、政治的利害でそれを認めなければ、孤立を招くだけだ」と述べ、慰安婦問題で解決に向けた対応を取るよう求めた。
演説は、日本の態度変化を求める原則的姿勢は維持しつつ、トーンは抑制。直接的批判よりも「忠告」の形式を取った。
大統領は、2015年が日韓国交正常化50周年となることに言及し、これまでの緊密な協力関係は「(日本に)平和憲法を土台に周辺国と善隣友好関係を進め、村山(富市首相)談話と河野談話を通じて植民地支配と侵略を反省し、未来に向かおうとした歴史認識があったためだ」と指摘。「真の勇気は、過去を否定することではなく、歴史をありのまま直視し、次世代に正しい歴史を教えることだ」と安倍政権がこれまでの日韓関係の基礎を覆さないよう求めた。
さらに「(慰安婦問題の)歴史を否定すればするほどみすぼらしくなり、窮地に追い込まれる」と強調。「人類普遍の良心と戦後のドイツの例に倣い、日本政府が過去の否定から脱し、真実と和解の新たな歴史を積み重ねていくことを期待する」と述べた。 (2014/03/01-11:25)
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