浅田真央の物語と女子スポーツ(下)(2/3)

2014年2月28日

【特別寄稿】深澤真紀がソチ五輪・女子フィギュアで考えたこと

 その後も2007年にアジア人として初めて世界殿堂入りをするなど、「アジア人として」「日本人として」「女性として」、道を切り開いてきた伊藤の姿に、当時の多くの日本人や女性たちが熱狂した。
 今の日本のフィギュアがあるのは、伊藤みどりの存在が本当に大きいのだ。
 浅田真央までの道のりに、この偉大な選手がいたことを若い読者にも知っていただきたい。

東洋の魔女は“結婚適齢期引退”の予定だった

 女子のアスリートの生き方に、女性が熱狂するようになったのは、女子バレーボールチームの“東洋の魔女”からかもしれない。

私は1967年生まれなので、リアルタイムには彼女たちの活躍は知らないのだが、子どもの頃には彼女たちをモデルにした漫画やドラマなどを見ていたので、「女子バレー選手ってかっこいい!」と思っていたものだ
 中学や高校でも、女子バレー部は女子部活の花形だったし、女子バレー部のキャプテンなど男子にももてていたものだ(私は運動音痴なので文化部ばかりだったけれど)。

 さて東洋の魔女たちは1961年の欧州遠征で22連勝し、さらに回転レシーブや変化球サーブなどの技を取り入れたゲーム展開から、このニックネームがつけられて、世界から恐れられたという。さらに1962年の世界選手権では、強豪ソ連を破って、日本が初めて優勝し、日本中が喜んだという。

 実は彼女たちは、1964年の東京五輪の前に引退をするはずだった。その理由はなんと、“結婚適齢期”だからというものである。
 しかし日本中から東京五輪に出て欲しいという声が上がり、引退を撤回して出場、金メダルを獲得するのである。
 東洋の魔女の活躍は、今に続く“ママさんバレー”も生んだのである。

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